エムバペ、ペレ以来の決勝10代弾…フランス98年以来2度目のV

 「ロシアW杯・決勝、フランス4-2クロアチア」(15日、モスクワ)

 決勝が行われ、フランスがクロアチアに4-2で快勝し、自国開催の1998年以来5大会ぶり2度目の制覇を成し遂げた。優勝賞金は3800万ドル(約42億5千万円)。欧州勢の優勝は4大会連続となった。フランスはMFキリアン・エムバペ(19)=パリ・サンジェルマン=が、58年大会で優勝したブラジルのFWペレ以来となる10代選手の決勝戦ゴールをたたき込み、Vに花を添えた。次回は2022年にカタールで初開催される。

 19歳と若き背番号10にボールがまわると、超満員のルジニキスタジアムのボルテージが確実に上がる。観衆の興奮に呼応するように、エムバペは自慢の快足を飛ばして勝負を仕掛ける。次世代を担うスターの存在感は、決勝戦という大舞台でも薄れることはなかった。

 ハイライトは3-1で迎えた後半20分。左サイドを突破したDFエルナンデスからパスを受けると、対峙(たいじ)する相手DFのタイミングをずらすように、ペナルティーエリア外から右足を振り抜く。「気持ちの面で準備をしっかりとしてきた。自分のベストを見せられた」。W杯の決勝戦で10代の選手がゴールを決めたのは、1958年大会で優勝した「王様」ペレ(ブラジル)以来で、17歳で決めたペレに次いで2番目に若い記録。無限の可能性を示した。

 まばゆいばかりの才能はフランスサッカー界として取り組んだ育成の結晶とも言える。少年時代、国立の育成機関である「クレールフォンテーヌ」に入学。FWアンリら多くのスターを輩出してきた英才教育を受け、モナコやパリ・サンジェルマンなど国内屈指のクラブでプレー。今大会でもメッシ擁するアルゼンチンを沈める2ゴールを挙げるなど、全4ゴール。世界に強烈なインパクトを与え、若手を対象とするヤングプレーヤー賞にも選出された。

 世界中の注目を集めた決勝戦では、今大会から導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)によって、フランスにPKが与えられた。それ以外にも、メッシやC・ロナウド(ポルトガル)といった突出した個に依存するチームが早期敗退するなど、W杯の新時代幕開けを予感させた。若いフランスの象徴とも言えるエムバペだが、世界一の栄冠は「まだスタートに過ぎない」。サッカー史に名を残す可能性を秘めた19歳の物語は、まだ始まったばかりだ。

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