西野監督の心を打った“小さな選手” 惨敗ブラジル思い出し「泣きじゃくり」

 サッカー・ロシアW杯に出場していた日本代表の西野朗監督と、主将のMF長谷部誠(E・フランクフルト)、日本協会の田嶋幸三会長が5日、千葉県内で帰国会見に臨んだ。西野監督は1次リーグ突破翌日のミーティングで“1人の小さな選手”が涙ながらに言葉を発していたことを明かした。

 ポーランド戦で終盤、自ら負けを選択してまで1次リーグ突破という結果をもぎ取った。物議は醸したが、決勝トーナメントに進めなかった前回大会と比べれば大きく1歩前進したのは間違いない。そうした状況を踏まえ、翌日のミーティングで起きた一幕を西野監督が振り返った。

 「ある選手が、グループステージを突破した翌日のミーティングでいきなり発言して、“小さい選手”なんですけど…。ブラジル(大会)の話をしたかったんでしょうけど、ブラジルという言葉をぱっといった瞬間に、ぱっと言葉を詰まらせたんですね。その後、泣きじゃくりながら、何とかブラジルからの思いを…グループステージを何とか突破した翌日の話なので、恐らく回想しながら詰まってしまった瞬間があったんですけど」

 西野監督が振り返る中、隣で長谷部は苦笑いをしていた。会見の席上、“小さな選手”が誰かということは明言しなかったが、ブラジル大会の敗退が決まった翌日、長友は報道陣との取材応対を一時中断して、スタッフの胸を借りて涙にくれていた。本田も香川も岡崎も、内田も川島も長谷部も、当時の結果に打ちのめされていた。

 西野監督自身としては、ベルギー戦が終わった直後の感触や感覚を忘れるなと伝えたという。「ロストフの、あのベルギー戦を終わった後に倒れ込んで、背中に感じた芝生の感触、見上げた空の色だか感じだか。それは忘れるなと。ベンチに座ってた選手たちの居心地の悪いベンチのお尻の下の感触を忘れるなと」。ただ、指揮官としての自分の言葉以前に、その“小さな選手”の涙が雄弁だったのではないかとも西野監督は話す。

 「僕が言わなくても、おそらくその“小さい選手”がグループステージを突破した翌日に話してくれたことは、これからの4年…ではないですね、早い段階で世界に追いつける。そういう姿勢を与えてくれた選手がいたので」

 過去、サッカー日本代表は“○○ジャパン”という名前がつき、長くともW杯が終わるごとにリセットされてきた。だが、歴史や魂を受け継いでいく選手が、チームには必要なことをうかがわせるエピソードだった。

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