西野ジャパン、モヤモヤ黒星発進 ミスミス3バック&崩しきれないポゼッション…

 「キリンチャレンジカップ、日本0-2ガーナ」(30日、日産スタジアム)

 6月14日に開幕するサッカーのW杯ロシア大会に出場する日本代表はガーナ代表と対戦し、0-2で完敗した。西野朗新監督(63)にとっては初陣となるW杯前国内最後の一戦。3バックを敷く新布陣を試したが守備のミスから失点を重ね、攻撃面でも収穫は乏しかった。31日には本大会メンバー23人が発表される。本番まであと3週間。多くの課題を突き付けられた西野ジャパンに残された時間は多くない。

 見るものに希望と熱狂を与えるにはあまりにほど遠く、むしろ不安を増大させた90分間だった。選手個々の狙いがバラバラで中途半端な攻撃。失点に直結する稚拙なファウルを犯した守備。終了を待たずして客席を立つサポーター。響き渡るブーイング。「トライはたくさんできましたが、結果を出すことが大前提なので…。結果が出ずに残念です」。西野監督は苦々しい表情で初陣を振り返った。

 チームは確かに変わった。少ない手数で、縦に速い攻撃でゴールを目指すことを基本スタンスとしていたハリルホジッチ体制とはスタイルが一変。ショートパスをつないで、相手守備陣を揺さぶって崩すことを狙う。それはほぼ4年前への回帰にも映るが、西野体制で戦術について自主性、自由を得た選手たちが選んだ道だ。

 だがDF吉田が「まだハリルホジッチ(前)監督のやり方で裏へと動き出している選手もいた」とパスの出し手と受け手の意思疎通はまだまだ未成熟。指揮官は「時間帯によっては良かった。決定機も何本かありました」と前を向くが、共通理解の拙さは、W杯までの残された時間の短さを考えれば致命傷になりかねない。

 コロンビア戦を見据えてテストした3-6-1の新布陣も、中途半端さがぬぐえなかった。3バックの中央に入ったDF長谷部は「セットプレーからの2失点。それ以外の部分では実際にやられたなという感覚は全くない」と手応えを口にするが、相手のガーナは、試合2日前に来日したばかり。鋭い立ち上がりを見せたが、徐々に足は止まっていた。

 選手、指揮官はみな、ポジティブな言葉を話し、前を向く。後ろを向いている時間がないことは事実だが、大きな方針転換を図ったことで本大会までに詰めるべき課題は、まだまだ山積している。

 試合前日、指揮官は「今、イメージとして持たれている代表チームとは違う、とにかく代表チームとしてのスピリット、ファイトする代表、これで本大会にいくんだ。そういう空気を作れる試合にしたい」と話していた。強い意志とは裏腹に、不安をぬぐい去ることができなかった。

 「やれることを精度を上げてやりたい。そのマックスを要求していきたい」と本大会を見据えた指揮官。やるしかない。やらなきゃ意味はない。

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