INAC4連覇!史上初1シーズン4冠

 「サッカー皇后杯・決勝、INAC神戸2(4PK3)2新潟」(23日、NACK)

 INAC神戸が延長戦の末2‐2と決着が付かず、突入したPK戦を4‐3で制して史上2チーム目の大会4連覇。なでしこリーグ、なでしこリーグ杯、国際女子クラブ選手権と合わせた史上初の1シーズン4冠に輝いた。PK戦は5人目までもつれ込んたが、最後はFW川澄奈穂美(28)が決めて死闘に終止符を打った。敗れた新潟は悲願の初優勝を逃した。

 ゴールに吸い込まれていくボールを、FW川澄は「夢みたい」と眺めていた。大歓声が現実に引き戻す。PK戦5人目のキッカーとして左隅に決め、チームに史上初の4冠をもたらした。

 初めて頂点に立った10年度決勝(当時は全日本女子選手権)もPK戦だった。川澄は当時を思い出しながら「今回はナイターだったこともあって、神秘的な情景に映った」と、死闘に終止符を打った1本を振り返った。

 1点を先制される予想外の展開。DF近賀のゴールで同点としたが、決め手を欠き延長戦へ。延長前半3分、MF池笑然の今大会6点目で勝ち越したが、新潟も粘りPK戦へともつれ込んだ。最後は2人目から4本連続で成功させたINAC神戸の地力が勝った。

 苦しんで勝ち取った4冠だ。9月29日のリーグ戦で岡山湯郷に敗れ、約3年ぶりの黒星。無敗の看板は下ろしたが、川澄は「負けを恐れずにできるようになった」と前向きにとらえた。2年ぶりに復帰した主将の重圧を乗り越え、「多くのタイトルを取ったけど、4冠は格別でした」と満面の笑みを浮かべた。

 米女子リーグの2チームからオファーを受けており去就が注目される。チーム関係者によると、来季に向けての交渉はこれからだという。「今はいっぱい遊びたい」と川澄。揺れる思いは胸にしまい込んだ。

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