神戸 エリキ2発で今季初星 鮮烈J1デビュー「本当に特別な日になった」ケガ人続々復帰で本領発揮へ

 前半、2点目のゴールを決めるエリキ(撮影・開出牧)
 前半、先制ゴールを決めサポーターを指差して駆け出す神戸・エリキ。左はトゥーレル、右は武藤
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 「明治安田J1、湘南1-2神戸」(16日、レモンガススタジアム平塚)

 神戸は、町田から期限付き移籍で加入したFWエリキ(30)の2得点で湘南に2-1で競り勝ち、今季初勝利を挙げた。鹿島は浦和と1-1で引き分けて首位を守り、ホーム戦では2023年10月から26試合負けなしでJ1新記録を達成した。横浜MはG大阪に2-0で快勝し、今季初白星。京都は2-1で清水に競り勝った。広島と柏は1-1で、岡山-川崎は無得点でともに引き分けた。

 新加入の陽気なブラジリアンが、開幕4戦未勝利と苦境に立たされていたチームを救った。リーグ戦初先発のエリキが2ゴールの大活躍。神戸での鮮烈な“J1デビュー戦”を飾り「本当に特別な日になった」とトレードマークの笑顔をはじけさせた。

 1点目は前半24分だ。FKのこぼれ球に反応し右足でボレー。相手選手→右ポストに当たり、2度コースが変わったボールがネットに吸い込まれた。猛ダッシュでバックスタンドのサポーターに駆け寄ると、下から渾身(こんしん)のガッツポーズを突き上げ、喜びを爆発させた。

 勢いは止まらない。同37分には持ち味のスピードで抜けだし、冷静なループシュートで2点目。「どうだ!」と言わんばかりに背番号27をサポーターに見せつけた。チームに光をもたらす躍動っぷりに、FW武藤は「本当にすばらしい選手。人間的にも完璧」と絶賛した。

 前所属の町田では2023年にJ2MVPに輝き、昇格に貢献。クラブの歴史に名を残したが、昨季はケガの影響もあって精彩を欠き、出場機会が減少していた。「またひとつ成長したい」。思い出と悔しさを胸にしまい、覚悟を持って神戸のユニホームに袖を通している。「最後の日までこのクラブで全力を尽くしたい」と力強く話した。

 チームとしても決勝トーナメント第1戦の2-0から、第2戦の0-3でまさかの敗退を喫した12日のアジア・チャンピオンズリーグ・エリートのショックを振り払う1勝だ。吉田監督は「僕が一番落ち込んでいたかもしれない。勇気をもらった」と表情を緩めた。武藤、MF井手口らケガ人も続々と先発復帰し、明るい材料も多い。「序盤よりすごく頼もしい選手が増えた」とエースのFW大迫。王者の本領発揮はこれからだ。

 ◇エリキ 1994年7月18日、ブラジル・パラー州出身。2019年に横浜MでJ1デビュー。その後ブラジル、中国でプレーし、23年にJ2町田に加入した。30試合で18得点を記録し、クラブ初のJ1昇格に貢献。同年、J2MVPに輝いた。明るいキャラクターから「町田の太陽」としてサポーターに親しまれた。昨季までJ1通算67試合24得点。ポジションはFW。170センチ、65キロ。

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