川崎・永長 ルヴァン杯の鋭いドリブルで話題呼んだ20歳の現在地とは U20で世界経験、大きな糧に

 現在、J1リーグで予想外の下位に低迷する川崎。ただ、そんな中でクラブの未来を担う若き力は、着実に芽吹きつつある。その一人がMFの永長鷹虎(20)だ。U-20日本代表では今年のアジアカップで4強入り、そして5月開催予定のU-20W杯の出場権獲得にも貢献。次代のスター候補として、大きな期待がかけられている。

 神戸市出身の永長。勇壮な「鷹虎」の名は、野球好きで阪神ファンの父が、戦国武将の藤堂高虎にもちなみ付けられた。生を受けた2003年は、秋に日本シリーズで阪神とダイエー(現ソフトバンク)が対決。父はそれも由来するというが、本人は「(4月生まれなので)完全に後付けですけどね」と笑う。ただ誕生から“強運”にも恵まれていたのかもしれない。

 そして今、プロの舞台でその名に負けないインパクトを残そうとしている。今月5日のルヴァン杯・浦和戦(等々力)はスタメンでカップ戦初出場。得点などは記録できなかったが、右ウイングとして幾度もサイドを切り裂くドリブルを見せ、公式Twitterのプレー集も話題を呼んだ。

 「ボールを持ったときは自分の強みは出せたが、結果にこだわっていたので悔しい思いをした」と満足することなく反省の言葉で振り返った永長。それでも今年2月からのU-20日本代表アジア杯の経験は、大きな成長につながっていた。「代表に行ってなかったらルヴァンも出られたか分からないし、出ていてもああいうプレーはできなかった」。U-20代表でアジアのライバルと戦い、「自分がどの程度やれて、どこが足りないかの目星がついた」と自らの現在地を知った。

 同時に「普段、フロンターレでやっている分、同学年(の選手)とやったときにすごく余裕を感じた。フロンターレってうまいなと、世界に行ってすごく感じた」と自らが置かれている環境の価値も再確認できたという。

 チームでの競争に勝つことが日本トップの選手へつながる道。目標はより明確となった。浦和戦の2日後に20歳の誕生日を迎え、「20代なので、あの試合を上回るプレーをしたい」と話す。成長の歩みを止めない背番号「26」から目が離せない。

 ◆永長鷹虎(えいなが・たかとら)2003年4月7日生まれ。神戸市出身。リーガルJPCから興国高を経て、22年に川崎へ入団。同年6月の天皇杯2回戦でプロ入り初出場初ゴールを記録。今年開催のU-20アジアカップの日本代表にも選ばれた。利き足は左。168センチ、60キロ。

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