広島がロスタイム2発の劇的逆転でルヴァン杯初優勝 ソティリウ2G 前日急逝の工藤壮人さんに捧ぐ頂点

 ルヴァン杯を制し歓喜の広島イレブン(撮影・金田祐二)
 後半、勝ち越しゴールを決めるソティリウ(撮影・金田祐二)
 ベンチに飾られた工藤壮人さんのユニホーム(撮影・金田祐二)
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 「ルヴァン杯・決勝、C大阪1-2広島」(22日、国立競技場)

 広島は0-1の後半ロスタイムにFWピエロス・ソティリウがPKを沈め土壇場で追いついた。同56分にも再びソティリウがコーナーキックから合わせて劇的な逆転。ルヴァン杯初優勝つかんだ。

 前半は互いにチャンスを作りながらゴールは生まれず0-0で折り返した。

 だが、後半8分に一瞬の隙を突かれた。最終ラインの左サイドからDF佐々木翔がGK大迫敬介に送ったバックパスを相手FW加藤陸次樹に奪われ先制点を許した。

 同18分には右クロスからナッシム・ベンカリファが飛び込みヘディングシュート。惜しくもGKに阻まれた。1点を先行されたことでより攻勢を強めた。後半34分には相手DFマテイ・ヨニッチの退場により数的優位となったことで試合を完全に支配した。

 広島は16日の天皇杯決勝でも甲府に敗れタイトルを逃したばかりだった。Jリーグ発足以降、天皇杯6回とルヴァン杯の前身となるナビスコ杯で2回決勝に進んでいる。だが、いずれも敗れて準優勝に終わっていた。佐々木は「このチームが歴史を塗り替える」と誓った通り簡単には負けなかった。カップ戦決勝では試合連続の敗戦という負の歴史に終止符を打った。

 2017年から2シーズンをプレーした元日本代表FWでJ3宮崎の工藤壮人氏が水頭症と診断され、試合前日の21日に32歳の若さで亡くなった。スタジアムでは広島サポーターにより「工藤壮人の魂は永遠に俺達とともに」と横断幕が掲げられた。工藤さんにささげるタイトルにもなった。

 試合前には黙とうもささげられ、黙とう後には工藤コールも響き渡った。両チームの選手は腕に喪章を巻いてプレーした。

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