柴崎の提言“誰かが出れば違う戦い方を”課題克服へ選手の特性に合わせた戦術の必要性説く
サッカー日本代表は8日、国際親善試合ガーナ戦(10日、ノエビアスタジアム神戸)に向けて千葉市内で調整し、柴崎岳(30)=レガネス=らが攻守の切り替えを意識した戦術練習などに取り組んだ。柴崎は攻撃面の課題克服へ、選手の特性に合わせた戦い方を模索する必要性を提言した。吉田麻也(33)=サンプドリア=らは軽めのメニューで切り上げ、冨安健洋(23)=アーセナル=は部分合流にとどまった。
円熟の司令塔は言葉を選びながら、慎重に提言した。ブラジル戦は0-1で敗戦。ドイツ、スペインと対峙(たいじ)するW杯1次リーグ突破へ真の強豪からどのように得点を奪うのか、浮き彫りとなった課題は明確だ。
柴崎は「選手のキャラクターを変えて、違う戦い方を模索するのもあり」と解決策の一例を提示した。ブラジル戦では「中への崩しやコンビネーションは皆無で、外からしか突破口を見いだせなかった」と指摘。W杯アジア最終予選同様に、伊東や三笘の突破力に活路を求めたが、両翼が封じ込まれると攻撃は手詰まりとなった。
「誰が出ても同じレベルの戦いができる」という日本の基本概念に賛同しつつ「『誰かが出て違う戦い方ができる』ことで変化が生まれる」と説いた。
ハーフコートで行われた6対6の戦術練習では原口、鎌田と組み、中盤の底を担う「アンカー」で先発する可能性も浮上した。攻撃色の濃い2人のインサイドハーフと前田らスピード豊かな前線の特性を生かした攻撃の構築を目指していく。
2試合で9分間の出場にとどまる。2大会連続W杯メンバー入りへアピールは必須だが「最大限できるプレーをして、その行く末を見にいく感じ」。泰然自若の戦術家が、日本の攻撃に新たな可能性を描き出す。

