森保Jあとは攻撃 王国相手に守備は通じた 死の組突破へ収穫と課題

 「国際親善試合、日本0-1ブラジル」(6日、国立競技場)

 新しくなった国立競技場で最多となる6万3638人の観衆が詰めかけた中、カナリア軍団から初勝利はならなかった。日本代表はブラジル代表に0-1で敗戦。後半にネイマール(パリ・サンジェルマン)のPKで失点するも、強烈なタレント陣が奏でる攻撃に対し、防御が通用することは収穫だった。一方で攻撃面では決定的なチャンスさえ作らせてもらえず、課題も明確になった一戦となった。

 最後は天敵ネイマールのPKに沈んだが、王国相手に善戦を演じた。6万3638人の大観衆が詰め掛けた雨の国立競技場。均衡を保ったまま時計が進むにつれ、ブラジルからの歴史的初勝利への期待感に、聖地は次第に熱を帯びていった。

 実力差を認めざるを得ない世界の強豪といかにして渡り合うか。W杯本大会で対峙するドイツ、スペイン攻略へ確かな道筋を示した戦いでもあった。それでも森保監督が発した第一声は「勝てなくて非常に残念」だった。

 収穫と課題は明確だった。強固な守備網は世界ランキング1位からも評価を得た。ブラジルの分析を担当するサンパイオ・コーチは「森保監督が作り上げたメカニズムはよく調整されている」と語った。前線から相手のパスコースを限定し、中盤では遠藤が球際で激しく体を寄せる。板倉もネイマールに最後の仕事をさせなかった。主将の吉田が「どれだけ0-0の時間を長くするか」と語っていた通り、ブラジルを77分間無失点に抑え込んだ。前半18分までに失点を喫していた過去10年間の4度の対戦とは見違えた展開だった。

 課題は森保監督も認めたように攻撃面だった。粘り強い守備で奪ったボールを、敵陣深くまで運ぶことに苦心した。途中出場の三笘らが果敢に仕掛けたが、決定機と呼べるものはなかった。指揮官は「相手のプレッシャーを外す部分も上げていかないといけない」と語り、長友は「最後を個ではがせないと厳しい。取られてもいいから勝負を仕掛けていく」必要性を訴えた。

 吉田は「実力差は点差以上にあるんじゃないかと正直、思っている」と謙虚に振り返り、「(W杯)本戦だったら0-0で終えなきゃいけない試合。これを1-1に戻して勝ち点1をもぎ取るサッカーをしないといけない」と強調した。そのために攻撃面での質の向上は必須であることが浮き彫りとなった。王国との対戦で見えた光明。慢心することなく進んだその先に「ベスト8以上」の偉業がある。

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