Ｊ１神戸の元日本代表ＭＦ山口蛍（３１）が２４日、磐田戦（２５日・ノエスタ）に向けてオンライン取材に応じた。前日２３日に三木谷浩史会長（５７）がクラブハウスを訪れ、選手・スタッフを激励したことについて「チームがより引き締まった」と巻き返しを誓った。

　最下位に低迷するチームに対し、三木谷会長は２３日の練習前に、異例ともいえる練習場を訪れての直接激励を行った。クラブの歴史などの映像も見せて「みんな一生懸命やっていることを分かっているので、こんなことを言うのは申し訳ないと思っているのですが、一層の覚悟を持って挑んでいただきたい。覚悟と気迫を持って頑張りましょう」と涙ながらにクラブへの思いを口にし、今後も会長職を続けていくことを明言した。

　チームが固まるきっかけになったかと問われた副将の山口は「それはもちろんあります」と答えて「逆に言うとあれだけの人がここまでしてくれなくちゃいけないということに、一人一人が責任感を持たなければいけない。三木谷さんがああいうことをするというのは本当に良くない状況だということをやっぱりもう少し分からないといけない」と現状を受け止めた。そして「激励だったり、そういうおかげでチームがより引き締まったというのはある。そこは一人一人がしっかり捉えて明日の試合に入っていきたい」と力を込めた。

　神戸は１４日の鳥栖戦（ノエスタ）で今季開幕１２戦目にして初勝利。続く１８日の川崎戦（ノエスタ）は後半ロスタイムの失点で０－１敗れたが、内容は良化が感じられるものだった。

　ところが２１日の１８位・湘南戦（レモンＳ）で集中力を欠くプレーなども続き、１－２で敗戦。“裏天王山”に敗れ、再び最下位に転落した。「例えばバスの中だったりとか、スタジアムに着いてからアップまでの雰囲気だったりとか、そういうところからもう少しピリッとした空気、もっと緊張感のある空気を持っていかないといけない。去年一年間通して３位という結果を出せた要因も、そういったロッカールーム内でのすごくいい緊張感というか、試合に向けるチーム全体での戦うぞという気持ちはあったので。やっぱり今はもう一度そういうところから取り戻していかないといけないと思っています」と山口は引き締める。

　ホームで１５位・磐田戦。勝利だけが求められる。