なぜ名古屋は長谷川監督を迎えたか 山口GMは「魅力的なサッカー」や底上げに期待

 J1名古屋の山口素弘GMが9日、マッシモ・フィッカデンティ監督の契約満了による退任と、長谷川健太氏を新たに監督に迎えることについての説明を、オンライン会見で行った。ただ、契約の話のため、明かせない部分が多いことをうかがわせた。

 「フィッカデンティ監督に至っては、2019年シーズン、シーズン途中から、厳しい状況の中、途中就任していただきました。並びに2020シーズン、今季2021シーズンと、コロナの関係で厳しい環境の中、非常に素晴らしい闘いを見せて、成績もいい成績を挙げてくれたことに、本当に心から感謝したいと思います」

 フィッカデンティ監督に感謝した山口GMには、ルヴァン杯を獲得しながら監督を交代させる理由について質問が集中した。しかし、「双方合意の上、契約満了という形になりました」、「契約満了、が全てです」という結論については触れ、一時は続投の考えも「ありました」としたものの、なぜ今回の決断をしたか、という点については「契約のことに関しては、公表できないことにはなっているので、申し訳ありませんが」と明かさなかった。

 いつ長谷川監督に打診をしたのか、という質問にも、「当然、私の立場としては、どうなろうとも、空白期間というものが起きてはいけないので、その用意はしていました。それが全てだと」と語るにとどめた。

 ただ、長谷川新監督に期待するものの一端には口にした。連覇した川崎を「目指さないといけない部分」と設定し、自チームはコロナ禍でも多くの観衆を集めたことを踏まえ、「毎年毎年、成長しなければいけない、バージョンアップしていかなければいけないというところが、全体の判断の要因になったのかなと思います」と、サッカーの質についても考慮したようだった。

 “攻撃サッカーへの転換”という単純な言葉を山口GMは用いなかったが、「トータル的にはアグレッシブなサッカーっていうのは展開したいなと思います」とし、来場者に対しても「魅力的なサッカーっていうのは展開しなければいけない、というのはあると思います」とした。

 川崎との差、という面では「単刀直入に言うと、リーグ戦はどうしても長丁場になるので、長丁場を戦い抜くだけの力の差でしょうね」と指摘。「それは、もしかしたら若手なのかもしれないし、リーグ戦っていうのは本当に長い期間やりますので、好不調の波もあるだろうし、好不調の波を小さくしないといけない。選手層というのも当然、出てくるでしょうし」と、チーム全体の底上げにも長谷川監督の手腕を期待しているようだった。

 さらに、ホームタウンぐるみでチーム・クラブを盛り上げている川崎の取組についても模範として意識しているようで、クラブ全体で川崎を目指していこうという姿勢をうかがわせた。さらに、長谷川新監督が宇佐見、井手口、堂安(G大阪時代)、久保(FC東京)らを抜てきした経験もあることについて、「補足して言うと、エスパルスの時は岡崎選手。今、名前が出た方々は、本当に代表クラスまで行った素晴らしい選手たちなので、そのあたりはぜひ、長谷川監督にお願いしたいと思います」と期待した。その上で、「なかなか1+1が必ずしも2にならないのがサッカーであって、何かを求めれば、何かが失われる部分もある。そこを気を付けながら、チームづくりをするのが監督で、それができるのが長谷川監督、というところもあると思います」と繊細なかじ取りを任せられる点も考慮したようだった。

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