DF吉田麻也「負けるべくして負けた」 後半43分痛恨失点、2大会連続黒星発進

 前半、オマーンのシュートを食い止める吉田(中央)と長友(右端)=撮影・高部洋祐
 オマーン代表に敗れ顔を覆い悔しがる吉田(22)
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 「W杯アジア最終予選、日本0-1オマーン」(2日、パナソニックスタジアム吹田)

 2022年W杯カタール大会アジア最終予選が始まり、7大会連続の本大会出場を目指すB組の日本は0-1でオマーンに敗れ、2大会連続でホームで黒星発進となった。攻撃陣がゴールを奪えず、後半終了間際に決勝点を奪われ、主将のDF吉田麻也(33)=サンプドリア=は「負けるべくして負けた」と唇をかんだ。コロナ禍による渡航制限で中立地開催となった中国との第2戦は7日(日本時間8日)にドーハで行われる。

 カタールへの旅路は最悪の船出となった。FIFAランクで55位もの差があるオマーンに屈した。格下相手のホーム戦。勝ち点3が絶対視される状況で敗れた。森保監督は戦前「夢を懸けた戦いならではの緊張感がある」と語っていたが、その危惧は現実のものとなった。UAEに敗れたロシアW杯最終予選に続く、2大会連続の黒星発進となった。

 「負けるべくして負けた」。主将のDF吉田は短い言葉で敗因を集約した。闘いの本質で後れを取った。海外組中心の先発メンバーは移動の疲れもあってか、運動量が上がらない。小気味良いパス交換も、球際の強度もない。後半43分の失点では、自陣左サイドで相手2人を4人で囲んだが、緩慢な守備でやすやすと突破を許していた。

 準備期間の差も出た。オマーンはセルビアで約1カ月間の合宿を敢行し、万全の態勢で8月28日に来日。「日本を驚かせようようと思った」というイバンコビッチ監督の言葉通り、ハイプレスで日本のコンビネーションを寸断。対策は練りに練られていた。

 日本は全選手がそろったのは試合2日前の8月31日。全体練習は1日だけだった。移籍交渉を優先したDF冨安、負傷のMF南野ら主力を欠くアクシデントもあった。だが、海外組が日本代表の大半を占めるようになって久しく、長距離移動によるコンディション低下や準備期間の少なさは、もはや日本代表の宿命とも言える。森保監督も「そこは言い訳にするつもりはない」と毅然(きぜん)と言い切り、「与えられた練習の回数で選手ができる限り同じ“絵”を持てるようにしなければ」と反省の弁を述べた。

 コンディションや準備期間など外的要因だけではない。機能不全の攻撃を改善するため、指揮官は3人の交代を送り込んだが、CFとして得点を量産するFW古橋を左MFに配置するなど効果的とは言えなかった。敗戦という結果だけでなく、内容、戦術でもオマーンに劣った事実は重い。まさに完敗だった。

 「あり得ない敗戦」とDF長友は吐き捨てた。4度目とあって誰よりも最終予選を知る。日本の進歩を示すつもりが、5年前と同じ轍(てつ)を踏んだ現実は受け入れがたかったはずだ。5日後にはドーハで中国戦を迎える。W杯8強を掲げるが、いま一度、足元を見つめ直す必要があるのかもしれない。

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