「国際親善試合、日本１－１マリ」（２３日、リエージュ）

　ロシア行きのチケットをたぐり寄せる一発だった。初招集のＦＷ中島翔哉（２３）＝ポルティモネンセ＝が日本代表史上３０人目となる国際Ａマッチ初出場初ゴールを決めた。「負けていたので２点取らないといけないと思っていた」。０－１の後半１５分、ＦＷ宇佐美に代わって代表デビュー戦のピッチに立つと、敗色濃厚の同４９分にＭＦ三竿からの浮き球を待ち受け「いいパスだったので触るだけ」と冷静に左足で押し込んだ。

　劇的同点弾にも照れくさそうにはにかむだけ。「ああいう位置にいられないこともあるので、ゴールシーンは良かった。次はもっといいプレーができると思う」と控えめに喜びを表現した。

　ポルトガル１部ポルティモネンセで今季９得点７アシストを量産。ハリルホジッチ監督から「どんどん前に入ってドリブルで仕掛けろ」と指示を受けた。左ＦＷとして小気味いいプレーで攻撃にアクセントを加えた。同点ゴールも中島の鋭いターンからのドリブルが起点となった。Ｗ杯本大会へ試された選手がいずれもアピール不足の中、１６４センチの小さな俊英が残したインパクトは絶大だった。