シャペコエンセ準Vも『誇り』魅せた ユニホームに航空機事故犠牲71個の星
「サッカー・スルガ銀行チャンピオンシップ、浦和1-0シャペコエンセ」(15日、埼玉スタジアム2002)
JリーグのYBCルヴァン・カップ王者の浦和が、南米カップの王者のシャペコエンセ(ブラジル)を1-0で破り、初優勝した。浦和は試合終盤に獲得したPKをMF阿部勇樹(35)が決めた。昨年11月の航空機事故で多くの選手らが犠牲となったシャペコエンセはJリーグでプレー経験のあるアポジらが出場した。日本勢の優勝は14年の柏以来で、通算成績は日本勢の6勝4敗。
誇りを込めて戦った90分間だった。シャペコエンセが身にまとったユニホームには、昨年11月の航空機事故の犠牲者数と同じ「71個」の星がちりばめられていた。
「彼らが僕らをここまで引き上げてくれたと思っている。(犠牲となった)選手たちの分までプレーしようと心がけているよ」。事故の際、負傷の影響で遠征メンバー外だったMFモイゼスリベイロは語った。終盤のPK判定に、ファウルを与えた主将DFグロリは「あれはPKじゃない」としながらも「また(南米杯で)優勝して、もう一度日本に戻ってきたい」と話した。
グロリはシャペコエンセのユース出身。事故発生時には別クラブに所属していた。多くの選手が犠牲になったことで「『戦うチーム』というチーム哲学を継承させようと戻って来た」。激しい球際と勝利への執着心を存分に発揮した。
エウトロピオ監督も言った。「選手はすべてのものをピッチで出し尽くしたと思う」。再建への道は半ばだが、シャペコエンセは力強く前に進み続ける。