鳥栖・権田、試合後古巣サポーター席へあいさつ…号泣、大声で感謝の意

 「明治安田生命J1、FC東京3-3鳥栖」(1日、味の素スタジアム)

 敵地に乗り込んだ鳥栖は、前半4分にFW豊田陽平がPKを決めて先制するも、その後は3失点。逆転を許したが、終了間際にMF鎌田大地、途中出場のFW趙東建がゴールを決めてドローに持ち込んだ。また試合後、鳥栖のGK権田修一が、古巣のサポーターへのあいさつへと赴いた際に、号泣する場面もあった。

 かつて自らの背中を支えたサポーターたちの姿は、涙でにじんでいた。試合後のスタジアム。権田がFC東京サポーター席へとあいさつに向かった。一歩、また一歩と足を進める度に、表情はどんどんと崩れていく。「もう無理だった。普通ではいられなかった」。涙を流して、大声で感謝の意を述べると、その場に突っ伏した。

 権田は中学時代からFC東京の下部組織で育ち、07年に昇格。09年にJリーグデビューを果たした。長きにわたって正守護神の座を務めていたが、15年7月にオーバートレーニング症候群を発症。長期の離脱を余儀なくされていた。

 16年1月には復帰を目指してオーストリア3部(現2部)のホルンに期限付き移籍。昨季オフには欧州での新天地を探すために、両者同意の上でFC東京との契約を解除したが、移籍先が見つからずに鳥栖に移籍していた。「僕がFC東京のサポーターならば、ふざけんなとも思うものだけど、僕は僕が決めた道を歩いている。僕は万人受けする性格ではないが、試合後に(FC東京の)サポーターのところに行くのはかなり前から決めていた」。

 サッカー選手として、そして人間として一つの区切りを迎えたようにも思えるが試合後には「正直、まだ整理ができていないです。(イタリア人監督のマッシモ・フィッカデンティ)監督は、ロッカーでも『イタリアでは普通のことだし、切り替えろ』と言われましたけど、僕はこういう人間なんで…。今日はちょっとまだ」とさまざまな感情が渦巻いていたという。

 試合は、自身のミスもあって3失点。ドローに終わり「勝てた試合だと思っているので、責任は感じている。育ててもらったクラブでもあるので、複雑だけど、恩返しは勝つことだと思っていた。元気な姿を見せたかったんですけど…。もう1回やり直さないとですね」。目に涙をためながら報道陣に話していた権田の目に、再び炎が宿っていた。

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