岡山、夢のJ1昇格へラストスパート…長沢監督「チャレンジャーですから」

 J2ファジアーノ岡山が、夢のJ1昇格を視界にとらえている。リーグ第35節を終えて17勝11分け7敗、勝ち点62で5位。J1昇格プレーオフ進出(3~6位)はおろか、自動昇格(2位以内)の可能性も残す好位置をキープしている。残り7試合。悲願成就へ、ラストスパートだ。

 J1昇格への執念を感じさせる戦いだった。8日の2位・松本戦。敵地に乗り込んだ岡山は1点ビハインドの後半42分、CKからMF矢島慎也が劇的な同点ゴール。自動昇格の可能性を残す、貴重な勝ち点1をつかんだ。

 5位の好位置をキープして、リーグ戦は残り7試合。就任2年目の長沢徹監督は言う。

 「プレーオフ圏内にいるチームでウチが唯一、J1を知らない。チャレンジャーですから、思い切って挑戦するだけです」

 第35節を終え首位が札幌、2位が松本。さらにC大阪、清水、京都…。上位陣は岡山以外、J1経験クラブが並ぶ。自動昇格を狙いつつも、長沢監督は「まずはプレーオフ進出をクリアすること。先を見ず、1つ1つ勝ち点を積み上げたい」と冷静に話した。

 その指揮官は開幕前、今季の目標として「プラス10」のキーワードを掲げていた。

 11位に終わった昨季は勝ち点が「54」。総得点は「40」で、失点は「35」だったため得失点差は「5」だった。J1昇格プレーオフに進出するためには、「これに10をプラスした数字が必要」と説明。つまり勝ち点「64」、得点「50」、得失点差「15」を達成すべきノルマとした。

 今季、岡山はJ1仙台などで活躍したFW赤嶺真吾をG大阪から獲得。U-23日本代表のFW豊川雄太も鹿島から期限付き移籍で加わった。赤嶺はここまで全35試合に出場して4得点。ゴール数こそ多くはないが、最前線で体を張り、攻撃のバリエーションを増やした。豊川は主にスーパーサブとして起用され、8得点を挙げるなど期待に応えている。

 元日本代表DF岩政大樹を中心とした守備も堅固さを増した。リオデジャネイロ五輪日本代表のMF矢島がボランチとして攻撃を操り、エースFW押谷祐樹も12得点と好調。経験豊富なタレントがそろった岡山には、大事な試合を勝ち切る勝負強さが備わった。

 今季ここまでのホーム平均観客数は9454人。クラブが目標とする初の「1万人」到達も視界にとらえており、サポーターの熱い声援が選手たちを後押ししている。

 「プラス10」に向けたクラブ一丸の取り組みが成果を結び、チームの勝ち点は現時点で62まで伸びた。得点50、失点31で得失点差19。得点は目標値に達し、残り2つも達成目前まで来ている。

 主将のDF岩政は「勝たなければならないという義務感がチームを成長させる」と話す。リオ五輪で日の丸を背負ったMF矢島は「昇格争いは経験がないけど、自分はそれ以上の大舞台で戦った。その経験を生かしたい」と力を込めた。

 次節16日はホームでC大阪戦。そのあとも京都、町田、清水など昇格を争う強敵との対戦が待っている。重圧には屈しない。勇敢に戦い、J1昇格の夢をつかみ取る。

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