本田 ミラン初ゴール!「お疲れっす」

 「イタリア杯・5回戦、ACミラン3‐1スペツィア」(15日、ミラノ)

 サッカーのイタリア1部リーグ(セリエA)で日本代表MF本田圭佑(27)の所属するACミランは15日、ホームのサン・シーロ・スタジアムで行われたイタリア杯5回戦で、2部(セリエB)のスペツィアを3‐1で下した。本田は右の攻撃的MFで移籍後に初先発。後半2分にイタリアでの初ゴールを決め、同19分に交代で退いた。

 背番号10にふさわしい司令塔として、本田がチームを勝利に導いた。2‐0の後半2分、MFモントリーボのミドルシュートを相手GKがはじくと、左サイドに詰めていた本田が3点目を押し込んだ。ゴール後は笑顔で親指を立てる“グッド”のサインで喜びを表現すると、チームメートからの祝福を受けた。

 キックオフの笛が鳴ると“ミランの王様”として振る舞った。本田は積極的に攻撃を組み立てながらプレー。前半23分、ゴールから35メートルの左FKは、DFメクセスを説得してキッカーを強奪。前半終了時には、自らFWパッツィーニに歩み寄って言い聞かせ、パス交換の確認をした。まだ加入したばかりで、チームメートとコミュニケーションがうまくいかない場面では、いら立ちを隠せなかった。

 貪欲にプレーする本田に、パッツィーニは理解を示した。「よくやった。ゴールを挙げた上に、チームのプレーを組み立てた。まだ、(イタリアに)到着してわずかなのに。頻繁に『ボールを出せ』とパス要求してくるのがいい。それに、協力的で要求に応じられる人間だ」。背番号10は確実にチームの信頼を獲得しつつある。

 初ゴール後も果敢に2点目を狙ったが、後半19分にMFビルサと交代して、本田はベンチに下がった。タソッティ監督代行は「90分間フル出場できる足をつくるには、もう少し時間が必要だろう。(プレーさせ過ぎてコンディションが)悪くなるのを避けるために、途中交代させた」と次戦以降の活躍に期待を寄せた。

 試合後の本田は、いつも通りにポーカーフェースだった。取材エリアに姿を現しても、「お疲れっす」とだけ言い残して通り過ぎた。次戦は19日(日本時間20日)にベローナとのリーグ戦。イタリア杯は22日の準々決勝でウディネーゼと対戦する。

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