磐田がJリーグ参入以来初のJ2降格
「J1、鳥栖1-0磐田」(10日、ベアスタ)
磐田はアウェーで鳥栖に0‐1で敗れ、94年のJリーグ参入以来初となるJ2降格が決まった。鳥栖は15位以上が確定し、J1残留を決めた。首位の横浜Mは名古屋に1‐2と7試合ぶりの黒星を喫したが、2位浦和が仙台に後半ロスタイムに追いつかれ、3‐3で引き分けたため首位。4位鹿島まで首位から勝ち点差3の大混戦となった。
かつて栄華を誇ったサックスブルーの名門が、J1の舞台から姿を消す。4分表示の後半ロスタイム。最後のCK時、攻撃参加していた磐田GK八田のヘディングが枠を外れると無情のホイッスル。イレブンは崩れ落ち、サポーターは涙を流した。奇跡を起こせず、意地も見せられずに散った。
今季の低迷ぶりを示すような戦いぶりだった。立ち上がりから攻勢に出たが精度を欠き、前半24分に被弾…。「チャンスを決めずに同じミスをしたら失点する。今年を象徴する試合だった」。DF伊野波がうなだれた。
FW前田、金園、MF山田、DF駒野…。タレントはそろっていたが、かみ合わない。5月に森下監督を解任するカンフル剤も効かなかった。ここまで31試合でわずかに3勝。今季途中から指揮を執った関塚監督が「(降格要因は)勝ちきることができなかったのが、勝ち点を積み重ねられなかったことなのかな」と振り返るように、勝負強さを見せられなかった。
94年のJ参入以来、6度のステージVを含め、リーグ優勝は歴代2位タイの3回。02年には史上初の両ステージ制覇の完全優勝も達成するなど、黄金時代を築いた名門の降格。栄枯盛衰の現実は、どこまでも残酷だった。