寿人、決めたジャンピングVボレー弾

 「富士ゼロックス・スーパー杯、広島1‐0柏」(23日、国立)

 昨季J1王者の広島が天皇杯覇者のJ1柏を1‐0で下し、08年以来、5年ぶり2度目の優勝を果たした。広島は前半29分、昨季のJ1最優秀選手で得点王にも輝いたFW佐藤寿人(30)が、左足のボレーシュートで先制。その後は、2連覇を狙った柏の反撃を振り切って、勝利を手に入れた。

 雲ひとつない青空に、FW佐藤が高々と優勝カップを掲げた。08年以来、2度目となる聖地・国立での歓喜。広島のキングがピッチの中央で喜びを爆発させた。

 エースが真価を発揮した。前半29分。左サイドのMF青山からのクロスを中央でDF水本がバックヘッドでそらす。相手DFの裏でフリーになった佐藤は、倒れ込みながら左足のボレーシュートを放つと、ボールはゴール右ポストに当たってネットを揺らした。

 「後ろにそらすのは分かっていた。イメージの共有から生まれたゴール。出来過ぎなゴールです」。今季初シュートが初ゴールで決勝点。得点後は、予告通りにゴールパフォーマンスをイレブンで披露。ゼロックスの看板前に集合したのは記念撮影をイメージ。何種類も用意した中から、最もシンプルな振る舞いを選択した。佐藤は「日本サッカーの支援を続けてもらってきた。喜んでもらえたらうれしい」と意図を明かした。

 決勝ボレー弾は体幹トレーニングの成果だ。日本代表DF長友(インテル)に触発されて取り組んできた。「自分の体について考えるようになった。30歳を過ぎてもフィジカルを上げていかないと」。どんな体勢からシュートを狙っても動きはぶれず、ストライカーとしてのすごみを増した。

 後半10分に相手GKと接触して右足を打撲すると、同15分に石原と交代。森保監督は「昨日(21日)のJリーグのイベントが長時間だった。体調も悪かったから」と大事をとっての交代を強調した。

 27日にアジアチャンピオンズリーグ(ACL)、3月2日にはリーグ戦が開幕する。佐藤は「ハードな1年になるけど、もう一度、優勝の喜びを分かち合いたい」と今季も広島の快進撃を誓った。

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