ザック監督、ジーコイラクを大警戒

 「W杯アジア最終予選、日本‐イラク」(9月11日、埼玉)

 サッカー・ブラジルW杯アジア最終予選イラク戦と強化試合にあたるキリンチャレンジ杯・UAE戦の日本男子代表メンバー23人が30日、発表された。会見に出席したアルベルト・ザッケローニ監督(59)は、元日本代表監督でもあるイラクのジーコ監督(59)の手腕を警戒。選手選考でも冒険をせず、手堅い人選と戦術で勝ち点3を目指す。

 サプライズなしの手堅い選考が、ジーコ監督への警戒心の裏返しだ。これまでとほぼ顔ぶれを変えずFW香川、MF本田らを選出したザッケローニ監督は「イラクはグループの中でW杯出場候補の国に挙げられていると思う。そうそうたる覚悟で日本戦へ向けてやってくるのではないかと想像している」と険しい表情を崩さなかった。

 イラク代表は最終予選で2戦2分けの勝ち点2で現在、日本に続く2位。日本が大勝したオマーン、ヨルダンと引き分けに終わってはいるが「チームの能力があるということは容易に見て取れた」と評している。

 日本代表ではドイツW敗で2敗1分けと結果を残せなかったジーコ監督も、トルコのフェネルバフチェやCSKAモスクワの監督などを経て、監督としてのキャリアを積んだ。「ジーコ監督の経験であったり、イラクの選手の能力は警戒しないといけないと思っています」と慢心はない。

 実際、リスクは極限まで排除した。まず、ベネズエラ戦では招集していたFW宮市について、試合勘の不足を指摘し「この状態で呼んでも100%の力を発揮できない」としてメンバーから外した。現在、J1得点ランクトップの佐藤寿人(広島)も入っていないが、連係面を考慮し「メンバーを変えたくなかった」と説明した。

 マンUでは香川がトップ下で活躍しているが、「本田がトップ下にはふさわしい」とフォーメーションも現行路線を踏襲する見通しだ。どこまでも手堅く、慎重に、新旧日本代表監督対決に挑む。

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