石井武志 65秒KO!日本選手世界戦最速戴冠 悲願達成に涙「今日死んでもいいと思ってリングに」大橋ジム6人目の世界王者誕生

 1回、メンデス(右)を攻める石井武志
 1回、メンデス(左)にKOで勝利する石井武志(撮影・伊藤笙子)
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 「ボクシング・WBA世界ミニマム級王座決定戦」(2日、横浜BUNTAI)

 WBA世界ミニマム級王座決定戦は同級1位の石井武志(26)=大橋=が世界戦の日本選手最速勝利タイムとなる1回1分5秒KOで同級2位のウィルフレド・メンデス(29)=プエルトリコ=に圧勝した。WBA世界ライトフライ級王座決定戦では同級1位の吉良大弥(23)=志成=が、7回38秒TKOで同級2位のカルロス・カニサレス(33)=ベネズエラ=を沈め、田中恒成(畑中)に並ぶ日本男子最速の5戦目で世界王座を獲得した。前座ではアマチュア49勝無敗の藤木勇我(18)=大橋=が5回TKOで、フィリピン・スーパーフェザー級12位のジュフェル・サリナ(29)に完勝した。

 両拳を高々と掲げリングを跳ね回った。石井が日本選手史上世界戦最速の1回1分5秒でKO勝ちし、悲願の世界王座をもぎ取った。「今日死んでも良いと思って、覚悟を決めてこのリングに立った。努力し続ければ夢はかなうと証明できた」とうれし涙を流した。

 ゴングと同時に前に出た。開始50秒、鋭い左ボディーで崩し、右フックを額に打ち込む。ダウンを奪うと、メンデスは立ち上がれず。18年10月7日、井上尚弥(大橋)がフアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)に1回1分10秒でKO勝ちした記録を更新する衝撃のスピード決着でベルトをつかみ「人生で一番うれしい」と喜びに浸った。

 キック出身で、元WBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)の手引きで福岡から関東に出てボクシングに転向した。4回戦からのたたき上げながら、大橋ジム6人目の世界王者となり、「本当に光栄、本当に誇りに思う」と胸を張った。

 この日は後楽園ホールで、ガッツ石松さんのお別れの会が行われた。出席したヨネクラジムの後輩である大橋会長は「あんなボディーブローで、しかも井上尚弥の記録を石井が抜くとは思わなかった」と驚き、「ガッツさんが降りてきたとしか思えない一日だった」と感慨深げに話した。

 今後、他団体王者との統一戦も視野に入れる。苦労人の新王者は「ここからがスタート。この階級は強い選手がいっぱいいるので挑戦していきたい」と新たな決意を胸に再び前へ進む。

 ◆石井 武志(いしい・たけし)1999年10月26日、福岡県うきは市出身。高校卒業後にプロキックボクサーとなり大和KICK52・5キロ級王者となったが、適正階級がなかったためプロボクシングに転向。大橋ジムに入門して22年5月に4回戦からデビューし、ミニマム級で同年の全日本新人王に輝いた。24年9月に東洋太平洋同級王座を獲得。右ボクサーファイター。156センチ。

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