井上尚弥超え!石井武志が日本勢世界戦最速の65秒KO勝利で世界王座獲得「人生で一番うれしい」大橋ジム6人目の世界王者
「ボクシング・WBA世界ミニマム級王座決定戦」(2日、横浜BUNTAI)
同級1位の石井武志(26)=大橋=が、元WBO同級王者で同級2位のウィルフレド・メンデス(29)=プエルトリコ=に1回1分5秒KO勝ちした。2018年10月7日、当時WBA世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)がフアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)に1回1分10秒KO勝ちした日本選手の世界戦最速勝利を更新するスピード記録となった。また、石井は4回戦デビューから13戦目で初の世界タイトル獲得となり、大橋ジム所属では川嶋勝重、八重樫東、井上尚弥、井上拓真、武居由樹に続く6人目の世界王者となった。
絶叫した。予告通りゴングと同時に前に出て攻勢に出た石井はフィジカルで押し込み、鋭い左ボディーで崩れたところに右フックを額に打ち込み、膝をつかせてダウンを奪った。メンデスは10カウントで立ち上がれず、わずか65秒でのKO勝利。新王者は両手を突き上げて何度も跳び上がった。
キック出身で、元WBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)の手引きでボクシングに転向。4回戦デビューで全日本新人王に輝いたが、プロ初黒星も経験した。同門では荒竹一真(23)や片岡雷斗(20)らアマチュアの逸材が次々と入門する中、たたき上げの苦労人は13戦目でつかんだ世界挑戦のチャンスを一発で決めた。
「応援ありがとうございました。大橋会長を始め大橋ジムの皆さん、ありがとうございます。感謝する人しかいなくて、周りに恵まれたからチャンピオンになれた。ここは夢の舞台で、(福岡県)うきは市というど田舎で育って、小さい頃から身長も一番前で何の取り柄もなかったが、努力すれば夢がかなうと証明できて人生で一番うれしい。最高です。正直、今日以降のことは考えてなくて、死んでもいいと覚悟を決めて戦った。ここからがスタート。ミニマム級はまだまだ強い選手がいるので挑戦していきたい」
また、大橋秀行会長(61)が現役時代に所属したヨネクラジムでは、ガッツ石松さんや大橋氏ら5人の世界王者を輩出しているが、古巣超えとなった。この日、後楽園ホールで開かれたガッツさんのお別れの会では、大橋会長は「(ヨネクラジムに)追いつけ追い越せでやってきて、今日6人目(の王者)誕生を懸けて戦ってきます。天国で米倉会長とガッツ石松さん、温かく見守ってください」と語っていた。石井も「6人目で並ぶことができて光栄だし誇りに思う。ここ(横浜)に出てくる決断をしなかったら、こういう思いはできなかった。今チャレンジしたい思いがある子はどんどんチャレンジして、やり遂げたらいいことがあると伝えたい」と実感を込めた。
◆石井武志(いしい・たけし)1999年10月26日、福岡県うきは市出身。高校卒業後にプロキックボクサーとなり大和KICK52・5キロ級王者となったが、適性階級がなかったためプロボクシングに転向。大橋ジムに入門し、2022年5月に4回戦からデビューし、ミニマム級で同年の全日本新人王に輝いた。24年9月には東洋太平洋王座を獲得した。右ボクサーファイター。156センチ。
