朝ドラ俳優・藤原季節、異例のプロボクサーデビューも1回TKO負けで涙「厳しい世界」「ショックですね」ボクサー役きっかけにテスト合格「冷やかしじゃなく本気」

 「ボクシング・4回戦」(1日、後楽園ホール)

 NHK連続テレビ小説「風、薫る」に詐欺師の寛太役で出演中の俳優・藤原季節(33)=石神井スポーツ=がプロボクサーとしてデビューした。スーパーバンタム級4回戦で、ともにデビュー戦となった松村航(26)=FUNABASHI E-BOX=と対戦。テレビや映画でも活躍している現役俳優として異例のリングに立ったが、1回2分6秒レフェリーストップによるTKO負けを喫した。

 大歓声を浴びながら聖地のリングに立った藤原は果敢に左ジャブ、右ストレートなどを狙っていったが、サウスポーの相手から左右のフック、ボディーなどを次々被弾し、最後は左ストレートをまともに食らってダウン。真後ろに倒れてキャンバスで後頭部を打ってしまい、レフェリーはカウントを数えることなくストップした。藤原はスタッフに抱えられながら、何が起こっているかわからない様子で「負けた…」と呆然とした。

 控え室に戻ると、「本当に厳しい世界です」とかみしめた。「何のパンチで倒れたか覚えてない。1回で終わっちゃったのはショックですね。もうちょっとやりたかった。(最後は)綺麗に倒れすぎて覚えてない。気付いたら天井を見上げていた」と悔し涙を浮かべ、「(ダメージは)問題ない。緊張する間もなく倒された。いつもの練習とは違う景色で、対戦相手の気持ち、(ボクサーとしての)覚悟の強さが伝わってきた。そこでちょっと差が出たかもしれない」と唇を噛んだ。

 藤原はNetflixシリーズ「阿修羅のごとく」(2025年、是枝裕和監督)でボクサー役を演じ、役作りのために輪島功一スポーツジムへ入会。磯谷和広トレーナーの指導を受けた。23年12月に撮影が終わった後も練習を再開し、24年9月に後楽園ホールでプロテストを受験。C級(4回戦)で合格していた。

 ただ、プロのリングで試合をすることはきわめて異例の挑戦だったが、「たった一度の人生なので、一度しかない経験をしたかった。年齢的にもリミットが近づいているので、演技じゃないリアルな世界で戦ってみたかった」と真意を明かし、「自分も役者をやってて、全く冷やかすつもりでリングに上がってなかった。本気で勝ちに行くつもりで練習してきたので、一人のボクサーとして悔しい」と実感を込めた。

 試合に向けては撮影期間中も毎朝走り、10キロの減量も経た。「過程は財産。ジムのみんなが一人のボクサーとして心を許してくれたのが一番の財産。俳優としてボクシングを趣味でやるだけじゃ得られない記憶が刻まれたので」とうなずき、今後の実戦出場については「ゆっくり考えます」と保留。10月からは舞台の稽古が始まるといい、「今は外傷よりも精神的な落ち込みが強いので、すぐに回復したいです」と笑った。

 ◆プロボクサーとして試合を行った主なタレント ロバート・山本博(お笑い芸人)、キマグレン・クレイ勇輝(ミュージシャン)、ミッキー・ローク(米国俳優)

 ◆藤原季節(ふじわら・きせつ=本名・蛯名健司)。1993年1月18日、北海道札幌市出身。大学進学を機に上京し、演劇研究会に所属。2013年9月に「オフィス作」のオーディションで選ばれて所属俳優となった。映画「his」「佐々木、イン、マイマイン」などに出演し、NHK大河ドラマ「青天を衝け」、NHK連続テレビ小説「風、薫る」などに出演。173センチ。

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