【新日本】新世代の異例“古典技”決着に国技館驚きと熱狂 27歳大岩陵平がヘッドロックでG1初制覇「プロの“レスリング”で熱くしたい」
「プロレス・新日本」(16日、両国国技館)
真夏の祭典「G1クライマックス36」決勝戦が行われ、大岩陵平(27)が上村優也(31)との新世代生え抜き対決を35分10秒、ビッグロック(ヘッドロック)で制し、初優勝した。デビュー4年11カ月でのG1制覇は、後藤洋央紀の5年0カ月を超えて最短キャリア記録を更新。また、G1出場者決定戦から頂点に駆け上がっての“下剋上V”も史上初の快挙で「予選から優勝して、ビッグドリームつかみました!俺が令和の夏男、『THE GRIP』大岩陵平だ!」と高らかに新時代を宣言した。
今回のG1で台風の目となったダークホースの大岩が、一気に頂点まで駆け上がった。互いにレスリング出身で「ニュースタンダード」と標ぼうする温故知新のクラシカルなスタイルで勝ち上がってきた両雄は、G1決勝の大舞台でも異例といえる古典的な技術の応酬を貫徹。大岩が今大会、磨き上げたヘッドロックの取り合いだけであっという間に5分が経過し、その後もほぼグラウンドを中心とした展開だけで20分が過ぎた。
逆に上村からの執拗(しつよう)な左腕殺しに苦しみ、30分過ぎには手首を決める基本技のリストロックで追い込まれたが、音を上げない。手に汗握る死闘となったが、THE GRIP(ローリングラリアット)をさく裂させると、ぶっとい両腕でさらに相手の頭を締め上げ続け、ついに値千金のギブアップをもぎ取った。
真夏の最強決定戦も36年目。日進月歩の進化を遂げ、近年はスピーディーかつ派手な投げ技や飛び技、場外戦などで沸かせているが、新世代の両雄はあえて“痛みが伝わる”古典的な技で35分間の死闘を戦い抜き、観客を驚かせるとともに熱狂させた。「大岩」コールに応えた新星は「腕の感覚がないですけど、最後まで戦えたのはみんなの声援のおかげです」と感謝し、「今は自分たちのスタイルは世界的にマイナーかもしれないが、G1(の大舞台)でこのスタイルでお客さんが熱狂できたってことは、俺と上村優也の理想のプロレスのスタイルは間違ってなかったってことだと思う。プロレスなので“プロ”の“レスリング”なんで、これからもプロフェッショナル・レスリングでこのマットを熱くしていきたい」と、大きくうなずいた。
敗れた上村も「これが現実だと受け止めたくないけど、大岩の勢いと実力、これは本物だ」と、悔しさをかみしめつつも新時代の頂上決戦に自負を込めた。大岩は「一生現役でいる限り成長期なんで、テクニック磨いて、パワー磨いて、もっともっとプロのプロのレスリングをできるようになっていきます」と決意を込めた。
◆大岩陵平(おおいわ・りょうへい)1998年11月7日、愛知県江南市出身。中学3年からレスリングを始め、18年JOCジュニアオリンピック杯で3位入賞。法政大を経て、21年4月に新日本に入門し、同年8月24日にデビューした。23年9月からはノアに1年間参戦。24年9月からはザック・セイバーJr.を擁するユニット「TMDK」に加入した。得意技はTHE GRIP、ビッグロック、サイドスープレックス。180センチ、110キロ。
