矢吹正道 12回KO初防衛! 倒れない男・アルバラードから2度ダウン奪うも「思った通りの試合ができず、まだまだ」
「ボクシング・IBF世界フライ級タイトルマッチ」(27日、愛知県国際展示場)
チャンピオンの矢吹正道(33)=緑=が同級1位の挑戦者フェリックス・アルバラード(36)=ニカラグア)を12回1分59秒KOで下し、初防衛に成功した。距離を詰める相手にペースを乱される場面もあったが、11、12回に立て続けにダウンを奪い、地元愛知で凱歌を挙げた。
倒れない男をぶっ倒した。両手を挙げ「ウオー」と歓喜の雄たけびを響かせた矢吹は「会長の78歳の誕生日なので、拍手をお願いします」とリングで呼びかけた。所属する緑ジムの松尾敏郎会長に勝利を贈った。
最終回にクライマックスが訪れた。11回終盤にカウンターの左フックで、アルバラードが47戦目にして初のダウン。12回は左ボディーから左ジャブ2発、そして左ストレートで2度目のダウンを奪い、かろうじて挑戦者は立ち上がったが、レフェリーが試合を止めた。
「アルバラードは強すぎ。思った通りの試合ができず、まだまだです。相打ち上等で来るので、覚悟を決めた。しょうもない試合ですいません。経験と皆さんの声援のおかげです」
そう試合を振り返った矢吹。それでも戦前に語っていた「強い相手で激闘になると思うが、しっかりとKOで勝ちたい」を有言実行した。
初回から好戦的なアルバラードを左ジャブで迎撃して右ストレートをたたき込み、早くも激闘の予感が漂った。密着する相手に4回、5回は連打を許す場面があったが、6回からはジャブを効かせ勢いを取り戻した。7回は左ボディーで相手の顔をゆがませ、KO防衛へと突き進んだ。
今後は3階級制覇、他団体との統一戦の期待が高まる矢吹。「ちょっとゆっくり考えたい。来年2回か3回は試合をして、デカい試合もするんで期待してください」と胸を張った。
◆矢吹 正道(やぶき・まさみち)本名・佐藤正道。1992年7月9日、三重県鈴鹿市出身。2016年3月プロデビュー、20年7月に日本ライトフライ級王座決定戦を制して初タイトルを獲得。21年9月にWBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗に10回TKO勝ちし、初の世界王座を奪取した。翌年3月、寺地との再戦で3回KO負けを喫して陥落。24年10月、IBF世界ライトフライ級王座を獲得。25年3月にIBF世界フライ級王座を奪取して2階級制覇を達成した。身長166センチ。右ボクサーファイター。





