中谷潤人がまさかの辛勝判定勝ち「タフな試合になった。いい経験」転級初戦で無敗のメキシカンに大苦戦 右目腫らし後半劣勢も前半のリード守る 井上戦に意欲「チャンスをいただけるなら」

 「ボクシング・12回戦」(27日、リヤド)

 スーパーバンタム級での初戦となった世界3階級制覇王者の中谷潤人(27)=M・T=がノンタイトル戦に挑み、WBC同級9位セバスチャン・エルナンデス(25)=メキシコ=を判定3-0(115-113、115-113、118-110)で下した。6戦ぶりの判定となった。通算成績は32戦全勝24KOとなった。

 転級初戦。バンタム級時代の減量苦が軽減し「凄く良い調整ができた」と自信を持って挑んだ一戦だった。1回から距離をはかりながらも強打を打ち込んでいくと、2回には打ち上げながらの左、右のボディーを浴びせてペースを握った。3回はエルナンデスも前に出てきたが中谷は終了間際に右アッパーを見舞った。4、5回は開始から接近戦での打ち合いに。エルナンデスが終始前に出てくる中、中谷は効果的に左を浴びせていく。6回は接近戦で中谷が強烈な左フックを浴びせる場面が、エルナンデスも止まらない。それでも中谷は左ボディーの連発でエルナンデスをぐらつかせた。ラウンドが進むごとにフィニッシュを待ちわびる現地ファンから「ナカタニ!」コールが起こる中、圧力が止まらない相手に手こずり、右のまぶたを腫らしながらも、何とか堪えきった。判定の瞬間には、会場からはどよめきの声が上がった。

 試合後、中谷は「エルナンデス選手、とても強かったです。タフな試合になって、キャリアにとっていい経験になった」と振り返り、転級初戦の影響については「想定はしていた。エルナンデスがいいファイトをした。僕自身も成長できました」と語った。

 来年5月に検討されている井上尚弥とのビッグマッチに向けて、大きな一歩を刻んだ。「もちろん世界王者を目指してこの階級に転向した。チャンスをいただけるなら、目指します」と、うなずいた。

 ◇中谷 潤人(なかたに・じゅんと)1998年1月2日、三重県東員町出身。中学卒業後に単身渡米し、武者修行を経て、2015年4月にM・Tジムからプロデビュー。20年11月にWBO世界フライ級王座を獲得した。23年5月にWBOスーパーフライ級王座、24年2月にWBCバンタム級王座に就き、3階級制覇。身長172センチ、左ボクサーファイター。

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