堤聖也“敵情視察”万全 リーチ警戒「疲れる12ラウンドになる」ドネア撃破へ自信「いい時のメンタル」
「ボクシング・WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(17日、両国国技館)
ボクシングのトリプル世界戦の前日計量が16日、都内で行われた。WBA世界バンタム級の団体内統一戦に臨む正規王者の堤聖也(29)=角海老宝石=と、同級暫定王者ノニト・ドネア(43)=フィリピン=はともにリミットを100グラム下回る53・4キロで一発クリア。WBAライトフライ級王者で、2団体王座統一戦に臨む高見亨介、WBO世界フライ級タイトルマッチに挑む同級4位の桑原拓ら6選手も一発クリアとした。
堤はドネアの体を頭の先から足の先まで、鋭い目つきでまじまじと観察した。「やっぱり大きいなと。あとは手の長さを見た感じと、握手した時もやっぱりごつい感じがあった」。至近距離での“敵情視察”も万全。自らも「現状で言ったらバッチリです。いい時のメンタルと似通っている」と自信をみなぎらせた。
にらみつけるように、しっかりと拳の大きさと身長を把握した。自分より体の大きなドネアは「数字上のリーチの長さが10センチくらい長い」とデータもきっちり頭に入れながら「長いから、そこはすごい面倒くさい。あとはリングで確認する」と警戒を強める。また「序盤から、中盤、後半にいっても一発はある。疲れる12ラウンドになる」と予想した。
相手は元5階級制覇王者の強敵。それでも「淡々と自分のやるべき仕事をこなしていく。そういう試合」と、冷静に捉える。「レジェンドのオーラとか、僕は何も考えてない。対戦相手としてしか見ていない」。世界王者らしくどっしりと構えた。
リカバリー食に話が及ぶと「会長が作ってくれたおじやを食ってて、うまいんすよ…」と、引き締まった表情から笑顔に変わった。「消化のいいものをとりながら。夜はいつものウナギ」とルーティンを崩さず、臨戦態勢に入る。
「負けたら終わり。勝てば次につながる。ずっと準決勝にいる感じ」と、覚悟を持って臨む。昨年10月に井上拓真を破って世界王者となった時は「決勝戦だと思っていた」という。しかし「終わってみたら自分の中で準決勝になっている」。ドネア戦も堤にとっては準決勝。いつか来る“決勝戦”を勝利でたぐり寄せる。





