棚橋弘至 1・4引退試合オカダ・カズチカとの対戦が正式決定「最高のコンディションで臨む」 98年猪木以来東京D有終締めへ
新日本プロレスは9日、都内で記者会見を開き、来年1月4日の東京ドーム大会で行われる棚橋弘至(48)の引退試合の対戦相手が、米AEWのオカダ・カズチカ(38)に正式決定したと発表した。団体によれば、シングルマッチでの対戦成績は棚橋の5勝9敗3分けだが、東京ドーム大会では2勝1敗。棚橋は、東京ドームでの引退試合としては1998年4月4日のアントニオ猪木以来、27年ぶりとなる勝利での有終を誓った。
“100年に一人の逸材”の現役最後の対戦相手がようやく決まった。現AEW統一王者のオカダは8日の新日本・安城大会に電撃登場し、引退試合の相手に名乗りを上げていたが、正式決定。棚橋は「相手を引き受けてくれて感謝」と謝意を述べ「(オカダが)レインメーカーとして凱旋(がいせん)したときから始まった物語で、借りも返していない。なかなか引退試合で勝って辞めていく選手は少ないが、僕は1人知っている」と、98年4月に東京ドームで行われた引退試合で勝利した団体創始者の猪木を引き合いに出した。
最後はゆかりの深い相手との一騎打ちを模索していたが、2010年代に何度も激闘を繰り広げた元ライバルなら不足はない。「(オカダは)全力を出し切れる相手。(観客から)まだまだできると思われて辞めるのか、もうボロボロだし仕方ないよなと思われて辞めるのか、後者にならないように最高のコンディションで臨む」と決意を込めた。
対戦成績では負け越しているものの、東京ドーム大会に限れば2勝1敗。「しっかり勝ちたい。(引退ロードで)僕を超えていった選手がいっぱいいて引導はもらいすぎて在庫はあるので、引導はもういらない」。冗談めかしながらも、26年間のプロレスラー生活の締めくくりとして勝利への執念をのぞかせた。
◇棚橋弘至(たなはし・ひろし)1976年11月13日、岐阜県大垣市出身。立命大在学中の98年2月に新日本の入門テストに合格し、卒業後の99年4月に入団。同年10月、真壁伸也戦でデビューした。2006年7月にIWGPヘビー級王座を初奪取し、通算8度戴冠は歴代最多。G1クライマックスは07、15、18年に優勝するなど、団体の低迷期から「エース」として“V字回復”をけん引した。23年12月に新日本の社長に就任。得意技はハイフライフロー。181センチ、103キロ。
◇オカダ・カズチカ 1987年11月8日、愛知県安城市出身。2004年に闘龍門に入門し、同年8月にメキシコでデビュー。07年8月に新日本に入団して08年に再デビューした。10年2月に米国武者修行へ出発し、12年1月に帰国すると「レインメーカー」を名乗り、同年2月に棚橋弘至を破ってIWGPヘビー級王座を初戴冠。同王座は計5度戴冠し、最多通算防衛記録も保持。G1クライマックスは4度優勝。24年1月に新日本を退団し、3月に米AEWと契約。191センチ、107キロ。




