6年ぶり復帰の女子ボクシング元全日本王者・新本亜也が国スポで銅メダル獲得 不屈の38歳が国内トップ選手と激闘「自分の生きざま見せられた」

 女子ボクシングで全日本選手権を4度制覇し、国際舞台でも活躍した広島市出身の新本亜也(38)=広島都市学園大学職員=が6年ぶりに現役復帰を果たし、9月28日から滋賀県で行われた第79回国民スポーツ大会(国スポ)のボクシング成年女子の部に出場。銅メダルを獲得した。

 「戦っている姿を見たい」という知人や教え子の声に後押しされて38歳での現役復帰。8月の中国ブロック予選を勝ち抜き、国スポへの出場権を獲得した。国スポには全国の予選を勝ち上がった13人が出場。新本は初戦で判定勝ちを収め、準々決勝ではU-22日本代表の吉田姫菜(東洋大)を3RRSCで下した。

 準決勝は現全日本王者の国府縞鈴(日体大)と好勝負を繰り広げたが、惜しくも2-3で判定負け。3位決定戦は行われないため、銅メダルが確定した。周囲からは「勝っていたのでは」という声が出たほどの微妙な判定だったが、新本は「勝ち負けは別として、自分としては一番いい内容の試合ができた」とすがすがしい表情で話した。

 6月に復帰を決断。過酷な練習と減量を乗り越え、一回り以上も若い国内トップ選手と互角に戦った。「準備期間は数カ月だったけど、スタミナももったし、技術も出せた。楽しく試合ができました。以前の現役時代を知らなかった職場の人や教え子たちに自分の生きざまを見せられたことが一番良かったです」

 「復帰は今回だけ」と決めており、今後は本業である広島都市学園大学・西風新都キャンパスの学食の人気シェフとして腕を振るうとともに、ボクシングでも崇徳高のコーチ、地元ジムでの小中学生の指導など後進の育成に努める。競技は離れても「人生一度きり。これからも挑戦し続ける人生を送っていきたい」と前向きに進んでいく。

  ◇  ◇

 新本亜也(しんもと・あや)1986年12月10日生まれ。広島市出身。広陵高に入学してボクシングを始める。平成国際大卒。全日本選手権では4度優勝(フライ級2度、バンタム級2度)。国際大会では10年のアジア選手権で銅メダル。同年の広州アジア大会で銅メダル。11年アジアカップで銀メダル。元世界王者の村田諒太氏、現世界4団体王者の井上尚弥らととも出場した同年のインドネシア大統領杯では団体で金メダル、個人でも銀メダルを獲得する。2019年10月に引退も、今年8月に現役復帰。

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