井上拓真、1年ぶり再起戦は那須川天心と世界戦「踏み台にはならない」「ここで黒星つける」兄・尚弥も「絶対勝てる」と後押しで実現
ボクシングの「Prime Video Boxing 14」の開催発表会見が25日、都内で行われ、WBC世界バンタム級王座決定戦として、同級1位の那須川天心(27)=帝拳=と、同級2位で前WBA世界同級王者の井上拓真(29)=大橋=のカードが正式決定した。11月24日に東京・江東区のトヨタアリーナ東京で開催される。王座陥落から1年1カ月ぶりの再起戦で返り咲きを狙う拓真は、ボクシング転向8戦目で世界初挑戦となる天心との大一番に「(天心の)踏み台にはならないぞって。自分はボクシング一本でやってきているので、そう簡単には(世界タイトルを)取らせないぞっていう気持ちでいきたい」と元王者のプライドをにじませた。
拓真は引き締まった表情で会見に臨み、「この試合が決まって過去イチ、モチベーションも上がって自分自身もワクワクする。どんな展開になるか分からない緊張感の高い戦いだが、必ず王座に返り咲きたい。技術勝負の展開になるかなと思う。KOでも決着でもいいので、天心選手に勝つことを心がけて戦っていきたい」と決意を込めた。
WBA同級王者だった昨年10月、3度目の防衛戦で堤聖也(29)=角海老宝石=に判定負けで陥落。現役続行を決めてトレーニングを続け、IBF同級王座決定戦も視野に入れてサウスポー対策をしていたところ、天心とのWBC王座決定戦のオファーが届いた。所属ジムの大橋秀行会長(60)には「自分はやりたいです」と即答。兄で4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(32)=大橋=からも「拓真を天心選手とやらせてください。そっちの方がモチベーションが高いし、どうしてもやりたい。絶対に勝てるからやらせてください」と後押しがあり、実現にこぎつけた。
キック時代から無敗で突き進んでいる神童に対し「天心選手はボクシングに来てから急成長して、実力もあるし、王座決定戦で申し分ない相手。天心選手も(格闘技で)いろんな大きな舞台を経験している」とうなずきつつ、「同じ階級だし、いずれはやるんじゃないかというのは頭の片隅にはあった。(天心は)ボクシングで結果を出しているので実力も認めているし、キックボクシングから(計53戦)無敗できているので、自分がここでしっかり黒星をつけたいと思っている」と闘志。今は丸腰の元王者は「ベルトも何もないので、負けても失うものはない。自由にボクシングをできる」と、打倒天心に目をぎらつかせた。




