ボクシングの４団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥（３２）＝大橋＝の次戦として、９月１４日に愛知・ＩＧアリーナでＷＢＡ世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ（３０）＝ウズベキスタン＝と対戦することが１０日、主催者から正式に発表された。都内で行われた記者会見に出席した大橋ジムの大橋秀行会長（６０）は「井上尚弥のデビューから１３年がたつが、キャリア最強の強敵になると思う」と警戒。井上も「自分の中でもキャリア最大の強敵と思うほど、今回は警戒心高めにトレーニングを積めている」と明かし、「今回は判定決着でもいいんじゃないかと思っている」と勝利に徹する考えを示した。

　井上は５月４日（日本時間５日）に米ラスベガスでＷＢＡ１位ラモン・カルデナス（米国）と戦い、２回にダウンを喫したものの８回ＴＫＯ勝利を収めた。元ＷＢＡスーパー＆ＩＢＦ同級統一王者のアフマダリエフは、前戦のカルデナスと同じ陣営でトレーナーも同じとあって不気味だが、井上は「カルデナス戦、僕なんかパンチもらってましたっけ？」とおどけつつ、「あの一発はたしかにもらいました。ただ、（その後）あの試合が終わるまでほぼほぼ一発もパンチをもらっていない。（自分の）過信、油断から生まれる（ダウン）シーンだと思うので、相手が（同じような）対策を立ててきたとしても、９月１４日の井上尚弥は少し違うぞと。本気を出させていただく」と、うなずいた。

　その上で、「今回は判定決着でもいいんじゃないかと思っているので。１２回フルラウンドしっかり戦って勝ち星を取りにいく」と必勝を誓い、「そういう時の井上尚弥が一番強いと思っているので。ＫＯ宣言をしないときこそ慎重に戦いたい。そういうときこそ劇的なＫＯシーンが見られると。まずは１２回しっかりボクシングを組み立てる」と自信をのぞかせた。

　この試合はトリプル世界戦興行として開催され、ＮＴＴドコモの映像配信プラットフォーム「Ｌｅｍｉｎｏ」で独占無料生配信される。セミではＷＢＯ世界バンタム級王者の武居由樹（大橋）が、同級１位クリスチャン・ヒメネス（メキシコ）との３度目の防衛戦に臨む。また、ＷＢＡ世界ミニマム級王座決定戦として、同級１位の高田勇仁（ライオンズ）と同級２位の松本流星（帝拳）が対戦する。