那須川天心 最終関門突破!世界戦初挑戦へ 判定3-0完勝も謙虚に反省「収穫は課題がいっぱいあること」

 「ボクシング・10回戦」(8日、有明コロシアム)

 WBC同級1位の那須川天心(26)=帝拳=が、WBA同級6位のビクトル・サンティリャン(29)=ドミニカ共和国=に10回判定3-0で勝利した。

 天心が世界戦への最終関門を突破した。プロ7戦目で迎えた世界前哨戦で完勝。それでも狙い通りのKO勝ちとはならず、真っ先に出たのは反省の弁だった。「収穫は課題がいっぱいあるということ。これが自分の実力。だから次、でかいことを言おうとかは全く考えていない。一歩一歩日々をしっかりと生きていけたら」と謙虚に先を見据えた。

 アマチュア戦績200勝を誇る技巧派サウスポーを相手に、また一つボクサーとして進化した姿を見せた。4回に偶然のバッティングにより左目上をカット。だが、流血にも動じず試合を優位に進めた。6回にはジャンピング左アッパーを浴びせ、会場が騒然。「近い距離で練習してきた」と接近戦の攻防でひけを取らず、壮絶な打ち合いとなった最後までペースを握らせなかった。

 天心を担当する元世界2階級王者の粟生隆寛トレーナーは「いいボクサーになったな」としみじみ実感を込める。今月2日、急きょマスボクシングの相手を務め、結婚式の余興以来、約3年ぶりに拳を交えた。成長を続ける神童のスピードや駆け引きのうまさを体で実感。左ストレートを被弾して痛めたという首に湿布を貼りながら「3年前とは全然違う。あれを捕まえるのは大変」と、自信を込めてリングに送り出した。

 最終テストをクリアし、年内の世界初挑戦へ視界が開けた。自身をRPG(ロールプレーイングゲーム)の主人公に例える天心。四天王(世界主要4団体王者)戦に向けて決意も固まった。「全てをかけて、自分がどうなってもいいくらいを見せなきゃ勝てないと思う。全員と戦って、全部のベルトを狙うつもり」。主人公・天心の物語は、これからさらなる盛り上がりを見せるはずだ。

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