桑原拓まさかダウンも逆転KO勝利「もう一回世界目指す」 昨年5月世界初挑戦の判定負け以来10カ月ぶり再起戦飾る「合格点かな」
「ボクシング・8回戦」(11日、後楽園ホール)
WBA世界フライ級7位の桑原拓(29)=大橋=が10カ月ぶりの再起戦に臨み、インドネシア同級1位のハムソン・タイガー・ラマンダウ(インドネシア)に5回55秒KO勝ちした。
まさかの劣勢となった。1回は手数で圧倒して主導権を握った桑原だったが、2回、相手の左フックを被弾して思いっきりダウン。ただ、以降は落ち着いて立て直すと、5回、鋭い左ボディーを突き刺して相手を前のめりに倒した。立ち上がれないまま10カウントとなり、勝ち名乗りの際には、なぜか相手から右ボディーを“お返し”されて笑い合う場面もあったが、鮮やかな逆転劇に納得の表情。「1回で見切ったかなと思ったが、2回から行こうと思ったら思い切りもらってしまった(笑)。一瞬食らったが、冷静に切り替えてKOにつなげられたのは合格点かな」と冷や汗を拭った。
昨年5月に世界初挑戦となったWBA世界同級王者のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)戦で判定負けして以来の再起戦をKO勝利で飾った。「この10カ月は長いようであっと言う間だった。復帰戦で勝たないといけないという気負い、プレッシャーも見えないところであったと思う」とかみしめつつ、「今、日本はフライ級もバンタム級も熱い。フライ級の世界戦線にどんどんからんでいけるように、もう1回世界に行けるぞというところをお見せしていきたい。もう一回、世界を目指します」と力強く言い切った。



