堤聖也が初防衛 盟友比嘉と死闘ドロー 9回壮絶Wダウン-試合後抱き合い「最高だよ」引き分けに反省も「心の弱さ表れた試合」
「ボクシング・WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(24日、有明アリーナ)
WBA世界バンタム級王者の堤聖也(29)=角海老宝石=が、挑戦者で同級4位の比嘉大吾(29)=志成=と引き分け、初防衛に成功した。ジャッジは3者とも114-114だった。戦績は堤が12勝(8KO)3分け、比嘉は21勝(19KO)3敗2分けとなった。
血しぶきが舞う。死力を振り絞る友人対決に会場が揺れた。4回。堤は踏み込んできた比嘉の偶然のバッティングで、右目の上から流血した。レフェリーが一時中断したものの、自ら歩み寄って試合を再開。場内モニターに血だらけの顔が映されるたびに客席から悲鳴交じりの声が漏れたが、堤は笑う。手数は減るどころか、むしろ増した。
打ち合いが続き、迎えた9回。右フックでダウンを奪われたが、その数秒後に至近距離の右ストレートでダウンを奪い返した。互いにダメージが残る中、堤は気迫を全面に出し、最後まで猛ラッシュ。終了のゴングが鳴り響くと、抱き合い「最高だよ。おまえ」と激闘をたたえ合った。引き分け防衛には「心の弱さが表れた試合だった」と反省が口を突いたが「1回から本気の比嘉大吾が伝わってきた。緊張感のある試合だった。強かった」と感慨を込めた。
比嘉とは高校時代からの付き合いで、今でも食事に行くなど長年の友人関係。堤自身は初防衛の相手に那須川を予想していたが、対戦相手として告げられたのは親友の名前だった。
引き分けに終わった2020年10月のプロ初対戦から4年4カ月ぶりの再戦。試合が決まってからは、連絡を絶って決闘モードに入った。比嘉の早期の世界タイトル奪取、18年の体重超過による王座剝奪などボクサー人生の起伏は、友人として誰よりも知っている。だからこそ堤は「比嘉を応援したい思いもあるが、今回僕が彼の人生をつぶすに当たっては(私情は)全く別。(これが)比嘉大吾の最後の試合だと思っている」と言った。自らの拳で盟友のボクサー人生にピリオドを打つ覚悟で、この日の試合に臨んでいた。
昨年10月に井上拓真(大橋)から奪った世界のベルト。引き分けで初防衛に成功した。4団体の世界王座の全てに日本人が居座る群雄割拠のバンタム級で、目指すは統一戦だが「今日の試合内容で統一と言っていると『そんな器じゃねえだろ』と言われそう」と堤。「目指すのはそこ(日本人統一戦)。口に出しても文句を言われないように、もっと大きいこと言えるようにもっと強くなります」とさらなる高みを見据えた。
◆堤 聖也(つつみ・せいや)1995年12月14日。熊本市出身。平成国際大卒。アマ戦績は84勝(40RSC)17敗。全国高校選抜優勝、関東リーグ戦2部4年連続全勝、国体準優勝などの実績を残す。18年にB級でプロデビューし、22年に日本バンタム級王者。24年に王座を返上し、同年10月に井上拓真(大橋)を破ってWBA世界同級王者となった。目標は元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志氏。スタイルはスイッチ。166センチ。


