井上尚弥「ちょっと待ち遠しい」 異例の2カ月長期調整ようやく24日ゴング 伏兵相手も気引き締め「すごく楽しみ」

 「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(24日、有明アリーナ)

 前日計量が23日、横浜市内で行われた。世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=と、挑戦者でWBO同級11位の金芸俊(32)=韓国=は、ともにリミットより100グラム軽い55・2キロでパスした。井上にとっては1カ月延期を経て、今夜ようやくゴングが鳴る。セミのWBOアジアパシフィック・東洋太平洋ウエルター級タイトルマッチは、2冠王者の佐々木尽(23)=八王子中屋=が66・6キロ、挑戦者の元日本同級王者の坂井祥紀(34)=横浜光=は66・3キロでクリアした。

 フェイスオフでにらみ合って14秒。尚弥は2、3度うなずくと、先に視線を外し、ゆっくりとステージから降りた。年末年始の休みも返上し、約2カ月も続けてきた異例の長期調整にもようやく出口が見えてきた。「2度の中止からの(1カ月)延期なので(その分)すごく楽しみ。ちょっと待ち遠しいというか、そういう気持ち」。たまりにたまったフラストレーションを拳に込めた。

 挑戦者の表情は見なかったというものの、にじむ殺気は至近距離で感じ取った。「(金は)臆することなく、この試合に挑んできているなと。(負傷したグッドマンの)代理として受けてくれたので(それだけ)気持ちは強いなと感じた。あきらめることなく向かってくるのかなと思う」。下克上を狙ってくる伏兵を見くびることなく、気を引き締めた。

 世界戦での日韓対決は11年ぶりに実現する。所属の大橋秀行会長は現役時代、元WBC世界ライトフライ級王者の張正九(韓国)に2度敗れ、元WBA世界ミニマム級王者の崔漸煥(韓国)を撃破して世界初戴冠を果たすなど、思い入れも強い。近年は低迷しているライバルに「これが起爆剤となって(韓国も再び)強くなってくれればなおいい」と期待を込め、「井上の相手が急に韓国選手になって注目してくれると思う。これがいい試合になれば(金芸俊は)韓国のロッキーになる」とエールを送った。

 尚弥としてはスーパーバンタム級で5戦目。減量で絞り上げてきた肉体には以前に増して筋肉が浮かび上がる。「少しずつ体もデカくなってきて、スーパーバンタムの体は完成に近づいてきた」。海外再進出を見据える25年一発目、試行錯誤の2カ月の答え合わせをすべく、リングに上がる。

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