井上尚弥 年末にもロンドン・ウェンブリーで100億円興行 「集大成ではない」ネリ撃破一夜明け 大橋会長明かす

 ルイス・ネリ戦を報じたデイリースポーツ1面を手にする井上尚弥(撮影・伊藤笙子)
 一夜明け会見を開いた(左から)井上真吾トレーナー、井上拓真、井上尚弥、大橋秀行会長、武居由樹、八重樫東トレーナー
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 ボクシングの東京ドーム興行の一夜明け記者会見が7日、横浜市の大橋ジムで開かれた。4団体統一世界スーパーバンタム級王座を初防衛した井上尚弥(31)が、WBA世界バンタム級王者の井上拓真(28)、WBO世界同級新王者の武居由樹(27)=いずれも大橋=とともに出席。大橋秀行会長は尚弥の次戦、次々戦が指名試合になること、そして年内にもサウジアラビア資本により、英国で戦う可能性があることを明らかにした。

 ネリ(メキシコ)を劇的な逆転KOで沈めた尚弥は「昨日は本当に自分自身、歴史に残るいい日になったと思う」と振り返った。

 4万3000人を動員し、関係者によれば、入場料収入は日本ボクシング史上最高という。券種は22万円~1万1000円で、各席種の枚数は不明だが、仮にチケットの平均価格を8万円と見積もると入場料だけでも34億円以上。これに国内外での配信や放映権料、グッズ収入なども加わる。大橋氏はビジネス面でも「大成功だったと思うよ」と話した。

 配信したアマゾンプライムビデオでも、尚弥のKOシーンで日本のプライムビデオ史上最大のピーク視聴数を記録。市場価値は高まる一方だ。

 次戦はIBF・WBO1位サム・グッドマン(オーストラリア)と、9月に関東圏での対戦が有力。大橋氏はその次もWBA1位ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との指名試合になる見通しを示した。

 また、大橋氏は昨年浮上したサウジ資本の興行について「それもあるね。サウジアラビアでしょ?うん」とオファーを認めた。現在は「サウジ資本のイギリスとかいう話が出ているんだと思う」と英国開催が浮上しているといい「年内にもしかしたら関東圏かもしれないし、海外にいるかもしれない」と、早ければ年末にも実現する可能性を示唆した。

 英国でボクシングのスーパーファイト会場といえば、ウェンブリー・スタジアムだ。2022年のタイソン・フューリー(英国)-ディリアン・ホワイト(同)戦、17年のアンソニー・ジョシュア(英国)-ウラジーミル・クリチコ(ウクライナ)戦は9万人以上を動員。ウェンブリー・アリーナ、O2アリーナ、ロイヤル・アルバート・ホールなど他にも候補には事欠かないが、ウェンブリー・スタジアム開催で世界中に放送・配信されれば、100億円興行も十分あり得えそうだ。

 尚弥の今回の報酬について、大橋氏は「桁(が増えた)というか、今までで最高」と10億円の大台に乗ったことを否定しなかったが、サウジ資本なら「(今の)倍じゃきかないよ」としており、実現すれば20億円以上となる可能性もある。

 尚弥はこの日、東京ドーム決戦を「集大成ではなくて、今後のキャリアを加速させる一戦」と位置づけた。強さも試合内容も稼ぎも、その言葉通り加速していきそうだ。

 ◆ウェンブリー競技場 イギリス・ロンドンにあるサッカー専用のスタジアム。収容人数は最大9万人。1923年に開場された旧競技場を2003年に建て直し、2007年に現在の競技場が開場となった。1985年には20世紀最大級のチャリティーコンサートである「ライブ・エイド」を開催。2015年にはラグビーW杯イングランド大会でも使用された。主にサッカーのイングランド代表の試合で使用される国際スタジアムとなっている。

 ◆日本選手による主な海外での世界戦防衛戦 直近では2022年6月にメキシコ・グアダラハラでWBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人が、同級正規王者エステバン・ベルムデス(メキシコ)と統一戦を行い、京口が8回TKO勝ちした。井上尚弥の海外での防衛戦となると、WBA・IBF世界バンタム級統一王者だった2021年6月に、米ラスベガスでIBF同級1位の挑戦者マイケル・ダスマリナス(フィリピン)を3回TKOで退けて以来になる。

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