井上浩樹 再戦に惜敗し引退示唆「僕は正直ここまでかなと思いますね。もういいかな」尚弥・拓真兄弟のいとこ

 「ボクシング・東洋太平洋・WBOアジアパシフィックスーパーライト級王座統一戦」(22日、後楽園ホール)

 WBO王者・井上浩樹(大橋)と東洋太平洋王者・永田大士(三迫)の統一戦は、永田が判定2-0で勝ち、王座を統一した。敗れた井上は引退を示唆した。

 2020年7月の対戦は永田が7回TKO勝ち。敗れた井上はいったんリングから遠ざかったが復帰し、王者同士で再戦を迎えた。リングサイドでは井上のいとこ・井上尚弥が声援を送った。

 両雄は序盤から激しい打ち合いを展開し、4回には井上が右アッパーで永田をぐらつかせる。続くラッシュで左拳を傷めた井上だが、その後も壮絶な攻防は終わらない。中盤は永田、終盤は尚弥のアドバイスで自分のペースを取り戻した井上が優勢となった展開は、ジャッジ1者が114-114をつける接戦となったが、永田が井上を返り討ちにした。

 バックステージでは永田と笑顔で言葉を交わした井上だが「前回よりは強くなれたと正直、今回は思えたんですけど、何か一歩足りない。その一歩は、永田選手は辞めずにやってきて、僕は空白の2年、その差が出たかな、くじけずにひたむきにやる選手が強いだって実感して」と吐露。

 永田には「続けましょう!」と声を掛けられていたが、井上は「うれしいですけど」と涙ぐみ、「僕は正直ここまでかなと思いますね。自分の人生の中では一番くらい頑張れたので、もういいかなと思います」とすすり泣き。「悔いはないです。(復帰してから)やりきれましたね。本当にいろんな支えがあって、本当にやりきりました」と語っていた。

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