辰吉寿以輝、2年9カ月ぶりのリングで涙の5回TKO勝利 「ケンカのつもり」で挑んだ一戦「マインドはシリモンコン戦」
「ボクシング・8回戦」(6日、エル・シアター)
元WBC世界バンタム級王者、辰吉丈一郎(53)の次男、寿以輝(27)=大阪帝拳=が故障などで2年9カ月のブランクをあけた試合に臨み、山原武人(23)=泉北=に5回TKO勝ち。戦績を15戦14勝(10KO)1分けとして無敗を続けた。
主戦場のスーパーバンタム級より1階級上のフェザー級で復帰のリングに上がった。アマチュア戦績の豊富な山原に対して序盤から好戦的に試合を進め、1回にカウンター気味の左フックでダウンを奪取。その後も左ボディー、フック、右ストレートなど多彩に攻め、4回にも相手をグロッギーに追い込んだ。5回に左からのラッシュを浴びせたところで、レフェリーが試合を止めた。
故障にコロナ禍が重なり、実戦から離れた。リング上のインタビューでは「ここまでくるまでいろんなことがあり、助けてもらった。その人たちに感謝したい」と涙声で語った。3年近いブランクをあけた試合だけに、内容も「今日のところは合格点。(日本)ランキングを取り戻したい」と意気込んだ。
リングサイドで見守った父丈一郎も「あれだけ動けたらええんちゃう?ブランクがあって手と足はバラバラやったけど」と課題も挙げながら感慨深げな様子。「心配せん親はおらんよ」とホッとした様子だった。
試合前には父の試合の動画を見ることがルーティンの寿以輝。今回は、父が判定で敗れた薬師寺保栄との死闘の次戦、1995年8月のノエ・サンティヤナ(メキシコ)に9回TKO勝ちした試合を見て「足の運びやジャブの使い方を参考にした」と明かした。
試合1カ月前までは左肩やろっ骨、肘など故障が重なった。重圧は否めなかったが、「今回はケンカのつもりだった」と寿以輝。「マインドはシリモンコン戦」と、97年11月に劇的KOで王座を奪回したシリモンコン・ナコントンパークビュー(タイ)戦で、父が「年下に負けるわけにいかん」と言ったセリフになぞらえて、年下の山原に「意地でも勝つ」と奮起したという。
今年1月31日には、第2子の長男・秀弦(しゅうげん)ちゃんが誕生。息子に初めて戦う姿を見せた。長いトンネルを抜け、年内には主戦場のスーパーバンタム級に戻して、日本か地域ランキングを目指す。井上尚弥(大橋)、那須川天心(帝拳)、亀田和毅(TMK)らビッグネームが居並ぶ華やかな階級で「僕も(デビューの)2015年からずっとおるんで」とここから存在感を見せるつもりだ。





