井岡一翔「必ず正義が勝つ」 大麻騒動は拳で黙らせる 相手計量失敗にも「怒りは全くない」

 「ボクシング・WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ」(24日、大田区総合体育館)

 世界元4階級制覇王者で、前WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(34)=志成=が23日、都内で前日計量に臨み、52・0キロで一発クリアした。昨年12月31日の世界戦でのドーピング検査で禁止物質の大麻成分が検出された中、会見で王座への強い意欲をみなぎらせた。王者ジョシュア・フランコ(27)=米国=は1度目は3・1キロオーバーの55・2キロ、約2時間後の再計量は2・9キロ超過の55・0キロで体重超過により王座はく奪。井岡が勝てば新王者、引き分けかフランコ勝利は王座が空位となる。フランコは24日にリミット58・97キロの再計量に臨む。

 計量にパスした井岡は拍手が起こる中、会場を見渡しながら平然とガッツポーズした。そして、会見ではファンに必ず勝利を届けると約束した。

 しかし、6・24にかける挑戦者にまさかの事態が起こった。WBO王座を返上してまでフランコとのダイレクト・リマッチを選択したものの、王者が計量に失敗。フランコが58・97キロ以下での世界王座決定戦で両者合意となったが「明日リングに上がって僕がチャンピオンになるだけ。怒りは全くない。自分のベストを尽くすだけ」と変わらぬ思いを口にした。

 質疑応答では、報道陣から大麻成分検出が発表されたことへの質問も出たが、疑惑をきっぱりと否定した。司会者が一時は「試合のみの質問に限らせていただきます」と遮ったが、井岡は「いいですよ。その質問だけには答えます」と正面を見ながら答えた。

 「ボクシングと自分に向き合ってきて、うそはついていない。応援してくれる方達に真摯(しんし)に向き合っている。そこに全くうそはなく、正々堂々と戦っている。この試合を実現して勝利して、必ず正義が勝つというのを証明させることがベストだと思っている」

 直前の大麻報道にも動揺する姿はない。「自分のボクシング人生の生きざま、去年の大みそかを超える姿をお見せしたい」。日本人最多の世界戦20勝ボクサーは、周囲の喧騒をその拳で黙らせる。

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