武藤敬司「全力で内藤選手をブチのめす」 両足肉離れ完治せずも引退試合で完全燃焼誓う
「KEIJI MUTO GRAND FINAL PRO-WRESTLING “LAST”LOVE~HOLD OUT~」(21日、東京ドーム)
1984年のデビューから、プロレス界のトップで活躍してきたノア・武藤敬司(60)が、ついに最後の戦いを迎える。新日本・内藤哲也(40)との引退試合の前日記者会見が20日に都内で行われ、「全力で内藤選手をブチのめす」と意気込んだ。1月に全治6週間と診断された両足の肉離れが完治していない中で、38年間のキャリアの集大成を結実させ、完全燃焼することを誓った。
コンディションは悪くても、引退試合にふさわしい戦いを約束した。両膝の痛みに耐え、会場の入り口から自力でゆっくりと登壇した武藤は「現役最後の記者会見ということで、非常に感慨深いものがあります。体は万全ではないが、これまで培った経験と技で内藤に立ち向かう。持てるものを出し切って灰になりたいと思ってるけど、灰になるのも大変だからマイペースで頑張ります」と穏やかな表情で語った。
正直、リングに上がるには厳しい状態だ。1月22日、6人タッグマッチで閃光(せんこう)妖術でグレート・ムタとしてのラストを締めたが、その代償は大きく、両足ハムストリングスの肉離れで全治6週間と診断された。「そこからまだ4週間しかたっていない。ただ、レスラーはヒーロー、スーパーマンじゃなきゃいけない。俺は大丈夫」と、自分に言い聞かせるように泣き言は封印。追い込まれた状況だが「そのストレスを全てぶつけたい」と前を向いた。
1月21日の新日本VSノア対抗戦。間近で内藤の試合を見て「胸を打つものがあった」と明かし、引退試合の対戦相手に指名した。最後に自分を輝かせてくれる相手と見込んだからこそ、「内藤選手を思い切りぶちのめしてみせます」と気持ちを高ぶらせた。
2月20日は故アントニオ猪木さんの80回目の誕生日だった。「猪木さんには一度も褒められたことがないんだよね。なんか、あの世で『お前、派手にし過ぎてるんじゃないか』と怒ってるような気がする」と笑った。満身創痍(そうい)でも、猪木さんに天国で喜んでもらいたい。フィニッシュのシャイニング・ウィザードは、きっとドームの天井まで響きわたるはずだ。



