猪木メモリアル戦で鈴木みのる熱弁「猪木は死んだんだ!でも俺がまだ生きている」

アントニオ猪木さんの追悼興行=東京ドーム(撮影・金田祐二)
1、2、3、ダーを決める藤波辰爾(撮影・金田祐二)
小島聡にドラゴンスクリューを決める藤波辰爾(撮影・金田祐二)
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 「プロレス・新日本」(4日、東京ドーム)

 毎年1月4日恒例の東京ドーム大会が昨年10月1日に死去した新日本プロレスの創設者、アントニオ猪木さんの追悼興行として開催され、猪木さんゆかりの選手6人によるアントニオ猪木メモリアルマッチが行われた。

 試合は猪木さんの一番弟子で、新日本の旗揚げメンバー唯一の現役である藤波辰爾、猪木さんとシングルマッチで対戦経験のある鈴木みのる、初代タイガーマスクの弟子で猪木さんの孫弟子にあたるタイガーマスク組と、新日本で猪木さんの薫陶を受けた最後の世代である永田裕志、小島聡、真壁刀義組が対戦。

 最年長69歳の藤波が相手3人に得意のドラゴンスクリューを見舞い、鈴木はスリーパーホールド、タイガーマスクは卍固めと猪木さんの得意技を繰り出しすなどした熱戦は最後、真壁に飛びついてバランスを崩したタイガーマスクが丸め込みにいったものの、逆に上から押さえ込まれて3カウントを許した。試合後、敗れたもののマイクを持った藤波が猪木さんの決めゼリフ「1、2、3、ダー!」を観衆とともに絶叫した。

 勝利組の真壁はメモリアルマッチに出場したことに「猪木さんに直接関わったのは俺たちの世代の人間じゃない?下の世代はもういないからさ。大事なことを教わったと思うし」と話しながらも、「ただ、今日の試合は俺がもったいなかったな、最後にごちゃごちゃした。そこが未熟ってことだ」と反省。小島は「私はたぶん、今日いたメンバーで一番猪木さんに縁遠い人間だと思う。にもかかわらず、こうやって(猪木さんの闘魂)タオルをもって参加させていただいたことを、本当に幸せだと思います。今日は忘れられない一日になりました」と感激した。

 永田は「今日の試合をもし会長が見たら、バカヤローって言われたんじゃないかと、そう思っています。猪木会長は全員に何か言いたいときは、いつも私を怒鳴り散らして説教することで選手全員に、戦いとは、闘魂とはを教えてくれた存在でした。会長に常に見られていることを忘れることなく、これから現役生活をやっていきたいと思います」と決意を新たにした。

 そして、敗れた鈴木は「あんまり思い出とか、実は持っていない。なんたってデビューして1年もたたないうちにここ(新日本)を辞めてしまったからな。それと忘れちゃならねえことがもう一つ、アントニオ猪木は死んだんだ!もういねえんだ!いつまでも猪木猪木猪木うるせえよ。でもな、大丈夫だ。俺がまだ生きている。俺がまだプロレスラーとして生きている」と、いつものように憎まれ口ながらも、熱い思いを訴えた。

 藤波は「やっぱり、ここしばらく猪木さんの影が、どうしても我々の世代からすると忘れることができない。ボクは思いっきり引きずっていこうかなって。まだまだアントニオ猪木を見ておきたたったっていうのが心残りであるんでね」と猪木さんの存在の大きさを吐露し、「なんか地に足が付かない感じなんですけど、これは徐々に克服するしかないですけどね。とにかく自分は思いきり背負って、リングに上がり続けたいと思う」と誓った。そして、50周年を終えて51周年を迎える新日本と自身について、「新たな目標を掲げて、猪木さんに常に『バカヤロー!』っていわれないように、肝に銘じてリングに上がりたいと思いますね」と前を向いた。

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