ボクシングのＷＢＡ・ＷＢＣ・ＩＢＦ世界バンタム級統一王者の井上尚弥（２９）＝大橋＝が２７日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で会見した。ＷＢＯ同級王者バトラー（英国）との４団体統一戦の年内実現に期待を込めつつ、その後のスーパーバンタム級転向に向けて「今の状態なら自分の中でベストな階級になる」と自信たっぷり。さらに、スーパーバンタム級で４冠王者が誕生した場合、「（自分と）４団体王者同士で戦うのが理想」とぶち上げた。

　尚弥の言葉に手応えと自信がみなぎった。ＷＢＣ王者ドネア（フィリピン）との再戦は２回１分２４秒ＴＫＯで完勝し、米国の専門誌「ザ・リング」が認定するパウンド・フォー・パウンド（ＰＦＰ）で日本人初の１位にも選出。「満足いく結果。ＰＦＰ１位にふさわしい試合をするためにも４団体統一をした上でスーパーバンタム級に上げ、新たなステージで挑戦していきたい」と拳をさすった。

　スーパーバンタム級転向後の戦いも少しずつ視界に入る。ＷＢＡ・ＩＢＦ王者アフマダリエフ（ウズベキスタン）、ＷＢＣ・ＷＢＯ王者フルトン（米国）の映像は「まだ見る段階ではない」としつつも、「両選手が統一戦をする流れになれば、自分がバンタム級で４団体を取り、この両者（のどちらか）と４団体王者同士で戦うのが理想」というビッグプランまで飛び出した。

　１９日に行われた那須川天心と武尊による格闘技界の“天下統一戦”にも言及し「日本最強の２人が戦った試合はもちろん見たし、刺激を受けることもあった」と尚弥。自身もさらなるビッグマッチに向け、まずはバトラーとのバンタム級統一戦に照準。「（交渉の）流れ的にはいいと聞いている。実現するなら開催地は日本でも米国でも英国でもどこでもいい」。年内の悲願成就へラストスパートに入る。