武尊 最強証明ならず 1回にダウン、大差判定負け「心から申し訳ない」

 2回、那須川天心(右)を攻める武尊(撮影・堀内翔)
 1回、那須川天心(右)の左フックを浴びダウンする
2枚

 「THE MATCH」(19日、東京ドーム)

 世紀の夢対決は“K-1のカリスマ”武尊(30)が壮絶な打ち合いの末、那須川天心(23)の前に大差判定で敗れた。1回にダウンを奪われ、2回以降、怒とうの反撃も届かず。最強の証明はならなかった。

 結果は残酷だった。「負けたら死と一緒」との思いで決戦に臨んだ武尊だったが、1回にダウンを奪われ、前に出て強打を浴びせる得意のファイトはスピードあふれる天心の防御の前に封じられた。

 パンチを浴びながらも笑みを浮かべて前に出る意地も逆境を跳ね返せなかった。K-1の看板を背負った30歳が判定で大敗。引き揚げる際には惜しみない拍手が送られ、武尊は涙をこらえながら何度も礼をした。

 7年前に天心が対戦希望を公言してからは、契約の問題などで沈黙せざるを得ず、ファンから「逃げている」と中傷されるなど辛い日々が続いた武尊。天心に対しては「存在を恨んだ時期もあった」というが、最終的には「天心選手がいたからボクがここまで格闘家としてやってこれた」と思うようになった。

 試合後の会見では声を絞り出しながら「本当に、この試合、実現できたことと、実現するために動いてくれた人、支えてくれた人、対戦相手の天心選手に心から感謝したいです。ボクを信じてついて来てくれたファンの方、K1ファイター、チームのみんな、そう言う人たちに心から申し訳ないと思っています」と話すのが精いっぱい。リング上で言葉を交わした天心は「内緒ですね」と強調しながらも、「武尊選手なりに思うところがあったみたいですね」と明かしている。K-1のカリスマはどこへ向かうのか。

 ◆武尊(たける)本名・世川武尊。1991年7月29日、鳥取県米子市出身。小2で空手を始める。17歳時にK-1甲子園への参戦を目指したが関西地区予選で敗退。悔しさをバネにプロを志し上京。11年、立ち技格闘技Krushにてデビューした。15年、K-1 WORLD GPの初代55キロ王座を獲得。その後3階級制覇を果たす。168センチ。右のファイター。プロ戦績40勝(24KO)2敗。愛称は「ナチュラル・ボーン・クラッシャー」。

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