強すぎ尚弥 日本初3団体統一 わずか4分24秒、2度ダウン奪う完勝劇 夢の4団体統一へ

 TKO勝利を決め、ほえる井上尚弥(撮影・高石航平)
2回、ロープ際に追い詰めドネアを圧倒する井上尚弥(撮影・高石航平)
 3本のチャンピオンベルトを巻き笑顔の井上尚弥(撮影・高石航平)
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 「ボクシング・WBA・WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦」(7日、さいたまスーパーアリーナ)

 バンタム級世界3団体統一戦はWBA・IBF同級統一王者の井上尚弥がWBC同級王者ノニト・ドネアに2回1分24秒TKOで勝利し、日本選手初の3団体王座統一に成功した。1回にダウンを奪うと2回、猛ラッシュで世界5階級制覇王者を衝撃の粉砕。19年11月に判定で破って以来の再戦は宣言通りの圧倒劇で返り討ちにした。4団体完全制圧へあと1つ。年内にもWBO同級王者ポール・バトラー(英国)との4団体統一戦を目指す。

 「ドラマ・イン・サイタマ2」は衝撃のショートストーリーとなった。一方的にドネアを返り討ちにした尚弥は、熱狂する観衆に向かって「みなさん、やりました!」と喜びを爆発させた。

 2年7カ月前の対戦では尚弥は2回にガードが下がったところに左フックを浴びて右目上を切り、さらに眼窩底(がんかてい)骨折。相手が二重に見えるダメージを負いながら11回に左ボディーでダウンを奪って判定勝ち。左フック対策をして臨んだ尚弥だったが、この日も初回、ドネアの左フックを右目に受けてしまった。

 しかし、さすがはモンスター。「おかげでしっかりとピリついて試合を立て直すことができました」という。「1ラウンドは絶対に取らないといけないと思っていたので、残り10秒の合図で少しだけエンジンをかけました」という冷静さを見せ、初回の終盤に右ストレートをこめかみに打ち込んでダウンを奪う。そして、2回。ダメージの残るドネアを左フックでぐらつかせると攻撃を強め、最後はワンツーからの左フックで2度目のダウンを奪って勝負を決めた。

 再戦が決まってからは「ドラマにするつもりはない」と自身に圧勝を義務づけて自身にプレッシャーをかけ、完璧に実行。尚弥は「100点」と自己採点すれば、大橋秀行会長も「最高の試合」、父の真吾トレーナーも「大したものの一言」と手放しで絶賛した。

 ドネアはあこがれの存在であり、親交もあるライバル。尚弥は「ドネアがいたからこそ自分はバンタム級で輝けた。本当に感謝したい」とたたえた。

 これで史上8人しか達成していない4団体王座統一に王手。今後については「4団体統一戦が年内にかなうとするならば、まだバンタム級で戦います。スーパーバンタム級に上げて、また新たなステージで挑戦して行けたらと思います」と考え、「まだまだ先は何年もあるので、ちょっとゆっくりして会長と父と相談しながら決めていきたい」と話した。モンスターの歩みから目が離せない。

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