「ＲＩＺＩＮ．３４」（２０日、丸善インテックアリーナ大阪）

　元ムエタイ王者の梅野源治（３３）＝ＰＨＯＥＮＩＸ＝は、元Ｋ－１の皇治（３２）＝ＴＥＡＭ　ＯＮＥ＝と９カ月ぶりに再戦し、判定０－２で敗れた。梅野は判定に納得いかない様子で、試合後の会見では「ジャッジはもっと勉強してほしい」などと怒りをぶちまけた。

　両者は昨年６月の大阪大会で対戦したが、バッティングで梅野が負傷したため、わずか１回４３秒でノーコンテストとなった因縁がある。今回は、第３ラウンドに皇治の左フックで倒れる場面があったもののスリップ判定となり、両者ダウンのないまま試合終了。ただ、判定が伝えられると、梅野納得のいかない様子で、試合後の会見では「スポーツで格闘技をやっているのに、チケットの集客力を（判定に）反映させてしまうと発展しない。（勝負は）戦った本人同士が一番分かっているし、セコンドも分かっている。共通して同じ認識を持っているが、異議も言えない。そんなんじゃ僕は馬鹿にされている感じがする。悲しい」などと激怒した。

　ただ、大会側に正式に抗議するのかについては「いちいち判定がおかしいと言ったときに覆る可能性が極めて低く、（逆に）異議申し立てのデメリットが大きいとみんなやらない」と話し、現時点では消極的な様子だった。

　一方、梅野のジャッジへの疑義について伝えられた榊原信行ＣＥＯは「常々思うが、今日もスプリット（意見の分かれる判定）が多かった。ジャッジに文句を言うなら、３分３ラウンドで完全決着つけろと。ジャッジがどっちについても、それ（不満）を言い出したら競技は成り立たない」と不快感を示した。

　商業的な利害が判定に反映されるのではないかという疑義についても、「プロモーターへの忖度（そんたく）は競技に働かせないと毎回ルールミーティングで選手に言っている。クレームがあるならレフェリー、ジャッジ陣に申し出てほしい」と話し、「（デメリットがあるかのように）妄想はせずに、今からでもクレームがあれば競技陣は向き合う。紙で出してもらって、（異議を）言ったら何かをされることはない。梅野選手にはモヤモヤを残してほしくないので、是非やってほしい」と呼びかけた。