「ＲＩＺＩＮ．３３」（３１日、さいたまスーパーアリーナ）

　サッカー元日本代表ＦＷ三浦知良（５４）の次男、三浦孝太（１９）＝ＢＲＡＶＥ＝が衝撃の総合格闘技デビューを果たした。元ホストで地下格闘技大会での実績があるＹＵＳＨＩ（３３）と対戦し、１回３分０秒、左サッカーボールキックでＴＫＯ勝利した。応援に駆けつけた両親の前で白星を挙げ、リングサイドで抱擁。「格闘技界のキングになれるように頑張る」と第一歩を踏み出した。

　ただの親の七光りなら、ここまでの輝きを放てない。孝太は父譲りの強烈なサッカーキックで“ゴール”を決め、いきなりのＴＫＯデビューを飾った。父カズ、母りさ子の前で独り立ちの白星を飾り、リングサイドで抱き合って喜んだ。

　「お父さんとお母さん、ちっちゃいときは迷惑をかけたにもかかわらず、初めての試合を見に来てくれて本当にありがとう。格闘技界のキングになれるように一生懸命頑張るので僕のファンになってください」

　格闘技への高いポテンシャルを見せた１８０秒間だった。「男はつらいよ」のテーマで入場すると、ゴング直後は相手の飛び膝蹴りを冷静にかわし、ギロチンに捉えた。そこから三角絞め、腕ひしぎ十字固めと寝技で圧倒。そして時は来た。

　相手がグラウンドから立ち上がる一瞬の間。「とっさに体が動いた」と左足を振り抜いて、ジャストミート。「今まで生きてきた中で一番うれしい」。高校まではサッカーでＦＷを務めてきたが、ゴールの瞬間を勝る快感が全身を駆け抜けた。両膝をついて指を突き上げるようなポーズも披露。「カズダンスはお父さんが長年つくり上げてきたもの。簡単に踊っていいものではないが、最後のポーズくらいはマネさせてくれと」と笑った。

　お膳立てされての大舞台だということは理解した上で、実力で満点回答した。「まだ実績で上りつめてきたわけではない。またこの舞台でチャンスをつかんでいきたいが、今はとにかく練習してコツコツやっていきたい」。キングのＤＮＡを持つ１９歳が、無限大の可能性を感じさせた。