右足切断のプロレスラー谷津嘉章が義足で奇跡の復活!「こんなもんじゃ終わりませんよ」

 平田一喜(上)を豪快に投げつける谷津嘉章=さいたまスーパーアリーナ
 入場する谷津嘉章=さいたまスーパーアリーナ
 平田一喜(上)を豪快に投げつける谷津嘉章=さいたまスーパーアリーナ
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 「プロレス・サイバーファイトフェスティバル2021」(6日、さいたまスーパーアリーナ)

 ノア、DDT、ガンバレ☆プロレス、東京女子の4団体合同興行で、19年6月に右ヒザ下を切断した谷津嘉章が義足を装着して約2年ぶりの復帰戦となる15人参加の時間差バトルロイヤルに出場した。

 1人目に入場した谷津は大きな拍手を送られながらリングに立つと、軽快なロープワークからのショルダータックル、得意のブルドッキングヘッドロックなどを繰り出して奮闘。だが、平田一喜をフロントスープレックスで投げ捨て、監獄固めで捕らえようとしたところを丸め込まれて3カウントを奪われ、6人目の失格となった。優勝したのはアントーニオ本田だった。

 谷津は76年モントリオール五輪と日本がボイコットした80年モスクワ五輪の元レスリング日本代表で、80年に新日本プロレス入りし、全日本プロレス、SWSなどを渡り歩いて多くのタイトルを獲得するなど活躍。19年4月からDDTに参戦していたが、糖尿病の悪化により右足が壊疽し、同6月25日に右足を切断した。直後は大きなショックを受けたが、東京五輪の聖火ランナーを務めることになり、その練習を行っているうちに復帰を意識するようになったという。

 そして、その思いを4団体を運営するサイバーファイト社の高木三四郎社長に伝えたところ、高木社長が義肢装具メーカー川村義肢株式会社の川村慶社長と高校時代の同級生だったという縁から同社がプロレス用の義足の開発。当初20年6月に予定された復帰戦は新型コロナウイルス感染拡大の影響で流れたが、1年待ったことで改良が進んだ義足を装着して奇跡的といえる復帰を果たした。

 優勝はできなかったものの復帰戦を無事に終え「想定内で義足も壊れることなく」と安どの表情を浮かべた谷津。「本当にやっちゃうと、金属ですから、ケガさせてしまう。その辺が手探りの状態」と話しながらも、「プロレスの義足を開発していただいてリングに上がったのは世の中でも初めてだと思う。そういう意味では満足にできなくて当たり前。いろんな想像とか妄想とか抱くんですが、とりあえず粛々と終わった感じがして、次につなげる可能性を見いだしたと思う」と手応えを感じていた。

 「ファンのみなさんに受け入れてもらって、特別扱いもされることなく、自分としてはありがたい。義足を作ってくれた川村さん、高木社長、いろんな支えて下さったみなさんに感謝」と語り、「あくまでもプロレスは自分に取って通過点。これからいろんなことを可能な限り試して、何でもやって挑戦しようかなと思う。まだまだこんなもんじゃ終わりませんよ、オリャ!」と力強く今後の目標を掲げた。(♯サイバーファイトフェス ♯CyberFightFes)

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