ジャガー横田から38年…26回目の髪切り戦にジュリア出陣 スターダム武道館大会

 1月に旗揚げ10周年を迎えたスターダムが3月3日、日本武道館に初進出して記念大会を行う。女子プロレスの武道館開催は24年ぶり11回目で、メインはワンダー・オブ・スターダム王者のジュリア(27)が中野たむ(年齢非公表)を相手にV7防衛&敗者髪切りマッチという過酷な戦いに挑む。

 武道館は全日本女子がジャッキー佐藤(1999年死去)とマキ上田のビューティ・ペア対決を目玉に77年から3年連続で開催。85年8月には長与千種、ライオネス飛鳥のクラッシュ・ギャルズがジャガー横田、デビル雅美の女帝コンビとそれぞれタイトル戦を行った。

 デビルのオールパシフィック王座に挑んだ長与は両者KOの死闘劇をリングに刻むと、6日後には返す刀で大阪城ホールに出陣。ダンプ松本との髪切りマッチは壮絶な流血戦の末に敗退した。過激な試合を放送したテレビ局には抗議が殺到し、社会問題にもなった。

 対抗戦ブームが沸き起こると8年ぶり武道館にUターンし、93年から5年連続6回開催された。97年の8月大会は、井上京子が退団を宣言し、全日本女子の崩壊&分裂を予告。経営不振から9月に大量離脱が発表され、10月には不渡りを出して事実上倒産(興行は継続)。翌98年にはネオ・レディース、アルシオンが旗揚げした。

 日本女子初の髪切りマッチは83年5月、全日本女子の15周年特別興行(川崎市体育館)で女王ジャガーがラ・ギャラクティカとのV8防衛戦で敢行。モンスター・リッパーの介入もあって敗退し、自慢の黒髪を切られたものの女子マットに復活の灯が点火され、クラッシュ・ブームを引き寄せた。

 髪切り戦は昭和(5回)、平成(19回)、そして令和に入っても19年11月にシードリングのカルッツかわさき大会で実現。高橋奈七永が中島安里紗に敗退しており、今回は2年ぶり26回目になる。

 “魔性の女”尾崎魔弓は4度髪切り舞台に立ち、2度髪を切られた。豊田真奈美は山田敏代に勝ちながら、自らもハサミを入れた。カベジュラ戦(髪切り戦)は勝者だけでなく、断髪の美学もファンをとりこにするところが魅力で、時代遅れと言われても伝家の宝刀の魔力は絶大だ。

 ジュリアは一昨年秋にアイスリボンからスターダムに移籍し、昨年は女子プロレス大賞を射止めた。中野はアクトレスガールズでデビューし、電流爆破マッチも体験。両者の戦績はジュリアの2勝1敗で、互いに生きざまをぶつけて対決する。

 ジャガーから38年の歴史を刻んできた髪切り戦。武道館のビジュアル対決は、インパクトのある新時代の戦いが期待される。

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