中島玲が前東洋ミドル級王者の細川撃破 首の骨折乗り越え目標の日本王座視界

 「ボクシング・8回戦」(9日、後楽園ホール)

 寝屋川石田ジムのホープ・中島玲(22)がデビュー4戦目のA級初戦で前OPBF東洋太平洋ミドル級王者の細川チャーリー忍(36)=金子=を2-1の判定で破った。

 アマチュアで高い実績を残している中島は、身長167センチとミドル級では小柄ながら俊敏なフットワークで出入りの速いボクシングを展開。身長180センチの細川に鋭い左フック、多彩なパンチのコンビネーションなどで堂々と攻め込み、腕を大きく回すなどの余裕を見せながら、手数の差で押し切った。

 割れた判定で勝利をものにし、「ホッとした」と安どの表情。スピードを生かしてパンチをもらわずに当てる戦略を立てたといい、「パンチをもらわなかったのはよかった。スピードとテクニックでは負けていないと思った」と満足感をにじませた。

 大阪府出身で、3歳の頃から空手、キックボクシングを学び、大阪・興国高でボクシングを始めた。そして、名門の東農大への進学が決まったが、入学直前に交通事故に遭い頸椎(けいつい)を骨折。医師からは「手術をすれば、もうボクシングはできない」と言われ、2カ月入院の保存療法を経て、マネジャーとして東農大入りした。

 そして、「自分をよく見てくれていた」という大学のコーチに勧められて2年時に選手に復帰。全日本3位に入るなどの活躍を見せ、東京五輪出場も目指したものの候補から外れてプロ入りを決めた。

 OPBF東洋太平洋同級5位、WBOアジアパシフィック同級8位、日本同級2位の細川に勝利したことでランキング入りはほぼ確実。当面の目標である日本王座挑戦が視界に入った。だが、自身は1階級下のスーパーウエルター級で戦うことを希望しており、今回は同級で相手が見つからなかったためにミドル級で戦ったという。

 世界的な層が厚い階級ではあるが、「自分みたいに小さくてスピードのある選手は世界でもあまりいない。みんなが今の階級でできないことで勝負していけたらチャンスはあると思う」と目を輝かせた。

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