中谷 世界初挑戦!22歳デビュー20連勝のホープ「やっとこの舞台立てる」

 ボクシングの前日本フライ級王者でWBO世界同級3位の中谷潤人(22)=M・T=が4月4日に東京・後楽園ホールで同級1位ジーメル・マグラモ(25)=フィリピン=と同級王座決定戦を行うことが14日、都内で発表された。記者会見で中谷は、家族の支えを受けながらデビュー20連勝を重ねて世界初挑戦にたどり着き、「一発で取って、少しはホッとさせてやりたい」と恩返しの戴冠を誓った。

 たたき上げのホープがついに世界の頂に挑む。全勝街道を突っ走る中谷は「やっとこの舞台に立てるという思いと、世界で一番の男の肩書ができる試合なのでワクワクしている」と胸を躍らせた。

 中学1年で元OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者の石井広三氏が三重県桑名市で経営していたジムで競技を始めたが、12年に石井氏が34歳の若さで亡くなった。その後は指導者に恵まれず、U-15全国大会で優勝するなどしたことで米国行きの話が舞い込み、中学卒業後に渡米。元世界王者の畑山隆則らを指導したルディ・エルナンデス氏の指導を受けた。

 家族も中谷を手厚く支えている。三重県で経営していたお好み焼き店の隣に10畳ほどのジムを作り、石井氏のジムから帰宅した後も練習できる環境を整えた。神奈川県相模原市にあるM・Tジムでプロデビューすると、食事面などをサポートするために父の澄人さん(43)、母の府見子さん(43)は三重県の店を畳み、弟の龍人さん(20)もともに16年に同市に転居。家族で19年にトンテキ専門店「とん丸」を開いた。中谷は「チャンスなので一発で取って、少しはホッとさせたい」と意気込んだ。

 相手のマグラモは24勝(20KO)1敗で、中谷は「器用でパンチのある選手なので警戒しながらボクシングをしたい」と青写真を描く。先月は約1カ月の米国合宿を行い、前WBA・IBF世界スーパーバンタム級統一王者ダニエル・ローマンらとスパーリングを約100回重ね、「世界王者にいろんなボクシングを試して、引き出しを増やすトレーニングをしてきた」と成果を口にした。17日からは走り込み合宿、3月に再び米国でスパーリング合宿を行う。

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